美弥と小鳥と緑谷と その２ ページ5
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「え、僕のが有利だったの？！」
小鳥の言葉で緑谷くんが驚いたように言葉を発した。
「水の中は常に水圧があるため、スピードは落ちますが文字通り、自由に動き回ることができます。ただ泳ぐ人よりもよっぽど有利です。
自覚はあると思いますが、フルカウルはだだっ広い場所よりも多少障害物があった方が助走をつける足場が多く動き回れる。水の中は常にゆるい足場があるようなもの……身体能力を底上げするその個性は、小さな動きでも体勢を変えられる水の中に有利なものです」
「な、なるほど……」
「まあそんなわけで小鳥は始めからフルカウルを封じにいきました。
小鳥の糸は典型的なあなたの弱点になるでしょう。
小鳥もテンション調整していましたが、水中でなければ腕が飛んでたかもしれませんね」
そう言えばサーッと緑谷くんの血の気が抜ける。
「ちゃんと水中であること込みで加減してたよ。
思ったより切れて驚いたけど。あれは糸の鋭さっていうより出久のスピードが問題だからね〜」
「まああれはつまり小鳥が包丁を空間に設置していたのに緑谷くんがそれに突っ込んで行ったって感じですね」
「自 殺行為……」
緑谷くんが顔面蒼白で呟いた。
相澤先生が時計を見ながら「早く」と催促するように見つめてくる。
まあ講評はこんなものでしょう……。
「せっかくですから緑谷くんは人質が無個性の一般人のとき、さっきの状況の打開策を考えといてくださいね。個人の課題とします。
では講評は以上です」
「はい！」
「はーい」
早いことに相澤先生がもうゴソゴソとくじを引いていた。ポンっと出てきたカラーボール。
そこに
「………次は爆豪だ。新本、敵役頼む」
「……はい」
さて、頑張っていきましょう
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年3月25日 16時
