美弥と小鳥と緑谷と その１ ページ4
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さて、美弥ですこんにちは。
私の前に正座するのは小鳥と緑谷くん。
このパターンは２回目だからもうわかるかしら？
「あなたたちは……訓練だからよかったものを」
はい、本日２度目の説教タイムです。
「……う、なぜ私まで……」
「小鳥はキャパを考えなさすぎ。もっとちゃんとしなきゃ現場で倒れるわよ」
「…………はい」
不満そうな小鳥の疑問を一蹴する。
「緑谷くん」
「……ひっ、はいっ！！」
『ひっ』とはなんだ。失礼な。
怯えてる緑谷くんを見下ろしてため息をつく。
「まったく焦ちゃんといいあなたといい……
Ａ組トップ３がなにをしているの。もう『トップ３』じゃくて『３バカ』って呼ぶわよ？」
「おいコラ俺を勝手にバカに入れんじゃねえ！！」
「あなたは仮免試験といい前科しかないわよ？？」
トップ３最後の１人である爆豪くんが怒りの声を上げる。ごめんなさい、少し黙っていてほしいわ。
納得いかないのかクラスのみんなも騒いでる。
「新本ちゃん、どうして緑谷ちゃんもダメだったのかしら？」
「蛙吹さん……渦潮を選んだことです。小鳥の罠があったので強行手段としてはまあよかったかもしれませんね。
「ゔっ」
蛙吹さんの質問に答えるとともに意見を述べれば緑谷くんが肩を揺らす。自覚はあったか……。
「結論、私じゃなきゃ死んでたかもしれません」
私の言葉にクラスのみんなが息を呑むが、後ろから相澤先生が口を開いた。
「そうだな。けどまあ今回は人質がハイスキルだから見切りをつけるのが難題であることも事実だ」
……それも今回の原因かしらね
「そうなんですよね……。
私と小鳥じゃ溺れるという危険性がない。
だからあれが危険行為であるとわかっているのなら今回はまあよしとしましょう」
その言葉で、ほっと胸をなでおろす緑谷くん。
「渦潮の向きは常に下向き……小鳥は水底には糸を張っていなかったので、一応小鳥の罠に私たちがぶつからないよう注意を払ってくれたのかは知りませんが、糸を払うだけが目的ならば良い案だったと思います」
「小鳥ちゃんなら間違っても自分を囲うなんてことはしないと思ったから……」
「……いい推理です。
小鳥、あれは大人気なかったわよ」
「水の中じゃ出久のが有利なんだもん。
ちょっとくらい難題出してもいいでしょ〜！」
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年3月25日 16時
