雄英女子の非日常その２【ヒロアカ】 (ページ15)

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小鳥　ちょっとした昔話　その２ページ15

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もちろん、今私は医者を目指しているわけでヒーローに未練なんてないつもりだった。

それでも「もし」の想像は止まらない。

私の個性がもっと早く発現していたら……
私の個性でヒーローになるヴィジョンが見えていたら……
出久みたいに、パワー型の個性だったら……

心の矛盾にもう嫌になる。

自分で捨てといて、もうわかんなくなった。

そんな時、美弥に出会った。

『いい個性持って生まれてきたやつはずるいよな』

美弥は焦凍くんの幼馴染で、それを知っていたクラスの男子に言われていた。その男子はヒーロー科を落ちて普通科に来たらしい。

そんな人に、美弥はスッパリ言い返した。

『ずるくなんてないわ。
いい個性も、弱い個性も無個性も、私たちに与えられたカードだもの。それをどう使うかってだけ』

自然に耳を傾けていた。

『私は私のカードで闘える。
個性が強かろうと、負ける気なんて全然しないわ』

___あ、

もう羨まないって決めてた。
だってそんなんじゃ前に進めないから。

___人は、生まれながらに平等じゃない

今まで見ないようにしてきたくせに、なんで今さら痛感して暗くなってるんだろう。

どれだけ無情な言葉を投げつけられたって、負けるもんかって、立ち止まってやるかって、いつも必死にやってきたじゃない。

それを今さら、掘り返して反省会？
やめろよ、らしくないぞ。

私は私の個性をもってこの選択をした

自分で見つけて、挑戦して、追うと決めた

_____誇れよ、ここまでやってきた自分を

自分の限界を知って、また立ち向かおう

立ち止まるならついでに休憩して

逃げるは恥だが作戦会議だ

やっと向き合えた気がした

やっと走り出せる気がした

もう、迷っても大丈夫

間違っても大丈夫

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さて、美弥の真剣な表情を見て過去を思い出してしまった。

美弥は知らないだろうけど、私のヒーローは間違いなく美弥だ。

出久じゃないのかって？
いや私はまだ出久に助けられたことないから……

出久を尊敬はしてるけど、ヒーローとは少し違う。

後ろで護られたいんじゃなくて、一緒に隣を歩きたい。それは美弥に対してもそうだけどね。

同じ道を目指しているから、その難しさを知ってる。
似たような個性だから、美弥のすごさがわかる。
同じような存在がいたから、その強さを感じる。

美弥は一番尊敬できる私のヒーローなんだよ。