雄英女子の非日常その２【ヒロアカ】 (ページ11)

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相澤side ページ11

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救助訓練中の敵騒ぎ……懐かしい限りだ。

教師になってここまで波乱万丈な学年はなかった。
あの頃震えていた生徒たちは見る影もない。多くの試練を乗り越えて強くなったヒーローの卵は、やがて孵化して美しい鳥になる。

「……新本、一条、巻き込んですまなかった」

巻き込むはずのなかった生徒２人に声をかける。
普通科のはずなのにヒーロー科を圧倒したこの２人の個性は、雄英の警戒対象であり、保護の意味も兼ねて推薦に呼んだ。

警戒対象の個性には、当然個性を抹消できる俺が担任に回された。
どうせ雄英の名につられて二つ返事だろうと思っていた。

なのに、

『すみません。私たち、ヒーローに興味がないの』

いつの間に意気投合していたのだろう。
２人とも同じ意見で頭を抱えたのを覚えている。

根津校長も隣でポカーンとしていた。
一条はともかく、新本はエンデヴァーからの推薦もあったというのに……。

説得を重ねた上で受け入れられた打開策は、２人ともヒーロー科ではなく普通科に入学すること。13号の元で修行させることも契約に追加された。

そんな入学前から問題児だったこの２人と、今こうして肩を並べて敵に向かっているだなんて。

俺の謝罪に、２人は首を傾げた。

「それ、今言うことですか？」
「後でですよ後で！とりあえず救助！」

「今さらじゃないですか」と言う新本と、「早く行こう」と急かす一条。
あのとき一瞬固まったA組(あいつら)を動かしたのもこいつらだったな。

……随分とたくましくなったものだ。

「ああ、そうだな」と笑って、捕縛布に力を込める。救助と戦闘に別れ、２人が横を通り過ぎる。

さて、制圧(や)ろうか。