犬猿の仲 ページ8
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「ゲッ」
「ゲッとはなにかな〜？
ルールも守れないガキな爆発さん太郎くん？」
見るなり「ゲッ」と言った爆豪に言い返す綾芽。
どうやら綾芽と爆豪には過去にひと悶着あったらしく、緑谷があわあわしてる。
そのまま爆豪を煽りに煽る綾芽と、それにキレる爆豪。あたふたする周り。もうカオスだ。
「勝己、その辺にしとけ。一応先輩だぞ。
綾芽も無駄に煽るな。勝己は沸点が低い」
『勝己⁈』
「は、ミツル⁈」
『ミツル？！』
サラッと爆豪をディスったのは置いといて、救世主が現れた。ミツルである。
そして驚き二度もハモったのは綾芽と緑谷だ。
しかし、その場にいるほぼ全員がそう思ったことだろう。
「……というか、綾芽は勝己と知り合いだったのか。知らなかった」
「いや、私もミツルがこの爆発さん太郎と知り合いなんて知らなかったよ？！
え、どういう関係？！」
「勝己とはロードワーク中によく会うんだ。
そんで話するようになった」
『な、ナルホド』
またハモった緑谷と綾芽。
さも当たり前のように話すミツルが、コテッと首を傾げて今度は綾芽に問いかける。
「綾芽はなんで勝己と知り合いなんだ？」
「知り合いじゃないっ‼」「知り合いじゃねぇ‼」
今度ハモったのは綾芽と爆豪。
「………違うのか？」
『違う‼』
「違わないでしょ架彩先輩！」
断固「違う」と言い張る２人に緑谷がツッコむ。
「先輩？」
「あ、架彩先輩は僕らと同じ中学校出身なので……
それで面識があるんです」
見かねた緑谷がミツルに説明した。
ミツルは「なるほど」と納得している。
「………あ、ということは前に綾芽が言ってた
“天使の緑谷くん” って、おまえか」
『んん⁈』
ミツルの発言に固まる周り。そりゃあそうだ。謎の先輩にクラスメイトが天使扱いされているのだから。
「そうだよ！ この可愛らしい天使が緑谷出久くんですっ‼」
そう言って緑谷をミツルに差し出す綾芽だったが、緑谷は死にそうな顔をしていた。
「…………ん？
じゃあ綾芽が言ってた “その天使をいじめる常識知らずのガキ大将”ってまさか、勝己のことか？」
「うんっ！」
『ブッフォオッ‼』
ミツルの言葉、というか綾芽の爆豪の表現の仕方に周りが一斉に吹いた。
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年1月4日 11時
