まただ ページ43
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「____また負けた」
目覚めて早々、ミツルはため息を吐いた。
目覚めると保健室のベッドの上で、隣のベッドを見ると麗日、奥に宝鱗もいた。あのチームの中で保健室送りにされていないのは綾芽だけのようだ。
今度こそ、と思ったのに。
綾芽の技を見た時から考えていた技を、あんなに上手くぶつけられたのにしくじるなんて。
「……くそっ」
ギリギリな風に見せてかけて、それでも感じる距離は遠いんだ。
「……八百万くん？ 起きたんだね」
「麗日。すまん、大丈夫だったか？」
隣のベッドにいた麗日がのそりと起き上がった。俺の問に「大丈夫なんだよ」と手をひらひらさせて見せる。
「……でも、あんなに早く倒れることになるとは思わなかったんだよ。もしかして、八百万くんたちも空気に細工したんだよ？」
今の言い草的に。と麗日はつなげた。
……？ どういう意味だ？
____ふたりとも同じこと考えてたみたい____
意識を失う寸前で綾芽に言われた言葉を思い出した。
同じようなこと……つまり、綾芽も空気に……
ガラッと保健室の扉が開き、オールマイトが顔を出した。側には綾芽もいる。
「少年少女、大丈夫かい？」
「……はい。宝鱗はまだ、」
「起きてるよ、ミツルくん」
希乱も起きていたようだ。
３人とも起き上がると、オールマイトはあわあわしたように「楽にしててっ」と言った。
それに甘えて希乱と奇星は布団に戻る。
「……綾芽、何をした」
「え、わかってるかと思ってた」
パッと綾芽に話題を向けると、驚いたような声を出す綾芽。なんか腹立つ。
オールマイトはポリポリと頰をかいて、側にあった丸椅子に座った。
「さて、みんな帰っちゃったけど、講評を始めようと思うんだ。いいかな？」
「はい」と声が揃う。
とはいえ、オールマイト自身、あの時なにがどうなっているかわからなかったようだ。それを見かねてか、奇星がスッと挙手をした。
「八百万くんたちがいったい何をしたのか気になるんだよ。説明プリーズ、なんだよ」
それに対し、すでに理解できているであろう綾芽がニコッと笑った。その余裕に、ミツルは綾芽にジト目を向ける。
「……綾芽の見解を聞こう」
「あははっ
まずはミツルたちの声に騙されちゃった。希乱への声かけがあったせいで麗日くんも私もなんとなく希乱の攻撃だろうなと予想をつけていた。それを裏付けるような大きな宝石の礫、あれがひとつの大博打。
すぐに気付くべきだったよ。希乱の個性じゃあの透明度は “ない”」
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年1月4日 11時
