綾芽の個性 ページ36
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「綾芽の技の始まりを見切る方法は２つある。
ひとつは、視覚的に色を認知することだ。綾芽が個性を使う時は耳飾りの対象の色が輝く。同時に綾芽の瞳もその色に染まる」
「……瞳が染まったところなんて見たことないよ？」
「綾芽は戦闘時、いつも黒いコンタクトレンズを入れてるからな。色が変わっても傍目には見えない」
それって結局わからないんじゃ……と希乱は思った。それを目で訴えれば、ミツルも頷く。
「ああ。耳飾りも遠くて見えん。
ただまあ時々綾芽はコンタクトし忘れるから、綾芽が出てこないときは忘れたと思った方がいい」
「……綾ちゃん」
呆れたように呟いた希乱にミツルは無表情で続けた。
「てなわけで、視覚的な見分け方はほとんど望めない。だから、もうひとつの方法で行くぞ」
「それって？」
「綾芽の指示から攻撃を推測する方法だ。
綾芽の個性は【
つまり、コミュニケーションを取るためには神様との会話が必要なんだ。戦闘中は指示したりしてるだろ」
「でも、綾ちゃんの指示っていつも端的よね。ほぼほぼなんか長いのと……必殺技の名前しか言ってくれないし……」
「そうだ。でも、基本的に神様の名前は言う。宝燐の言う “長いの” が神様の名前なんだ。
今から俺が知ってる限り教えるから頭に叩き込め」
ミツルの言葉に、希乱は頷いた。
コスチュームに装備されている紙とペンを取り出して、ミツルはサラサラと文字を連ねていく。
「とりあえず綾芽がよく手伝いを頼む四人。
炎、
水、
風、
木、木の神
「色は……そのまま赤、青、紫、緑かな？」
「ああ」
「黄色は？」
「……
でも一応警戒も必要だから、導体の生成は避けよう」
綾芽の個性は、色を混ぜていろんな色を生み出すことが厄介だ。
赤、青、紫。青、黄で緑といった具合に、色作りの可能性が多ければ多いだけ技が多い。
「……チートね」
「ああ、本当にな。でも弱点もある」
ミツルはつくづく思った。
___自分と綾芽はコンビとして相性がいい、と。
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年1月4日 11時
