第４６話 ページ46
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「……あたしは、泣きたくなかったんです」
唇から零れ落ちる、私のものじゃない言葉。
「泣いたら、進んじゃう。
忘れる準備をしているみたいで、嫌だったんです」
あなたは止まったままなのに
あたしは進む
あたしの意図に反して、
周りに思い知らされて、
無理矢理進まされて、
あなたとの距離が遠くなる
忘れたくないのに、忘れちゃう
あなたの声も
笑顔も
優しい手も
忘れちゃう
____それが嫌だったの
「私は、私たちは、Aちゃんと進みたいわ」
「あたしは進みたくないんです」
「Aちゃん、」
「あの人を置き去りにしたくない、」
「Aちゃん！」
「A」
スッと２人の間に入った静かな声。２人で振り向けば、それは陣悟さんのものだった。
「陣平はひとりなんかじゃないぞ」
ストンっと空間に落っことされた言葉。思わず目をぱちくりさせてしまった。「とりあえず落ち着け」と促され、２人とも座り直す。
「A、陣平はひとりなんかじゃない。おまえが縛られる理由も、必要もないんだ」
「でも、」
「これは陣平の言葉なんだがな、」
すうっと陣悟さんが息を吸い込む。
そして、
「ひとりで抱え込んでんじゃねぇクソ親父！！
あんたはうじうじ悩んでんのかも知んねぇけどな！その人は死んでて、あんたは生きてる！死んだ人間のこと気にする以前に生きてる奴らのこと大切にしてやれ！！」
突然の大声に莉緒さんと２人でビクッと肩を揺らした。悪びれもせず、陣悟さんはスッといつもの無表情に戻った。
「親友を亡くしたときにな、俺は廃人寸前だった。家内にも気を遣ってやれなくてな。そうしてれば陣平に思いっきり怒鳴られたんだ」
ゆっくりと染み渡っていく。大切な人を亡くした悲しさ。でも、そこから立ち上がる道標。
「A、勘違いするな。
どれだけ大切な人を亡くしても、おまえは今生きている人としか生きられない」
わかってる
わかっていた
「それでも、」
ぽっかりと空いてしまった穴は、
どうしたって埋められなくて
「A、ひとつじゃなくていいんだ。
失くしたものが大きすぎるなら、それだけ多くのものを大切にすればいい。
どれだけ小さなものでも、何十個でも何百個でもかき集めれば、おまえが頑張る理由くらいにはなる」
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紫苑(プロフ) - 待ってマジか、、、月城ってwうちのファミリィ―ネェーム((リアル名字なんだが、、、ウケる（真顔） (5月31日 6時) (
レス) @page1 id: 3aa754953d (このIDを非表示/違反報告)
#P - ずっと、求めていた小説が見つかりました…！！！ 大好きだぁああ！！ (2022年6月14日 23時) (レス) @page34 id: 9b79f8fc8c (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - ザックの嫁さん» レスが遅れてすみません。コメントありがとうございます。まだ救済まで至っていませんが…頑張りますので見守っていただけると幸いです。コメントありがとうございました！ (2020年1月8日 13時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
ザックの嫁 - 救済とか……… 大好物じゃないの！！ (2019年12月15日 14時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - ラムさんさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです！やっと更新しました……おまたせしました！これからも維持できるよう頑張ります！ (2019年5月4日 22時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年1月24日 23時
