第３３話 ページ33
・
顔を上げた蘭に私はニコッと笑う。
「練習中は、もっと上手い人がいるとか、私じゃない方がいいんじゃないかな、とかぐるぐる考えるときもあると思う。あの人のほうが “らしい” な、って思うこともたくさんある」
けど、
私の演技が求められてその場にいるのは確かだから
絶対にその信用は裏切りたくない
「まあ結局何が言いたいかっていうと、」
チラッとふたりを見ると、真剣に私の話を聞いていた。ああ、このふたりでよかった。
あの言葉の意味は私だけが演じる “本物” ___
練習のときは曖昧だけど、本番でははっきり言えるの。
「
思いっきりやってこい！」
「うん!」「ああ!」
返された言葉が思ったよりも多く重なったと思えば、新一と蘭だけでなく、他の役者たちも声を返していた。みんなも聴いていたようだ。
みんな緊張も解けたようで、表情がやわらかい。
「サイコーの舞台観せてやるよ」
「観ててね、A」
「……うん！」
エールを渡し、渡され、自分の部署に歩き出す。
_____ふいに泣きそうになった。
久しぶりだった。懐かしかった。誰かとともに舞台を創り上げる楽しさ。難しさ。
受験の忙しい日々に置き去りになった部活の日々。
思い出せてよかった。
私、今初めて
____ここに来てよかったって感じてる
大好きなことに関してだけこんなこと思うなんて、それはそれで私らしいって思うんだ。
客が入って、アナウンスが流れる。少しずつ暗くなる客電。ああ、このときが一番冷静になれる。
幕が開いて、ゆっくり照明
さあ、私たちの劇を始めよう。
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紫苑(プロフ) - 待ってマジか、、、月城ってwうちのファミリィ―ネェーム((リアル名字なんだが、、、ウケる（真顔） (5月31日 6時) (
レス) @page1 id: 3aa754953d (このIDを非表示/違反報告)
#P - ずっと、求めていた小説が見つかりました…！！！ 大好きだぁああ！！ (2022年6月14日 23時) (レス) @page34 id: 9b79f8fc8c (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - ザックの嫁さん» レスが遅れてすみません。コメントありがとうございます。まだ救済まで至っていませんが…頑張りますので見守っていただけると幸いです。コメントありがとうございました！ (2020年1月8日 13時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
ザックの嫁 - 救済とか……… 大好物じゃないの！！ (2019年12月15日 14時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - ラムさんさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです！やっと更新しました……おまたせしました！これからも維持できるよう頑張ります！ (2019年5月4日 22時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2019年1月24日 23時
