第１４話 ページ14
・
「A……」
焦った表情の新一。
扉開けたら目の前にいるものだから私も驚いた。
謝らないと。今すぐに。
「工藤くん、あの」「A、」
２人同時に話しかけて、また「え」と２人同時に声が出た。
その時、
キーンコーン カーンコーン
「はーい、席について〜」
予鈴がなって先生も来てしまった。
席に着いてもお互い無言のままで、なんとも息苦しい空間が完成した。
１時間目は英語の小テストからで、問題用紙を見て私は頭を抱えた。
《単語問題》
日本語は英語に、英語は日本語に直しなさい。
�� 後悔
�� 罪
�� apologize
なんだこのネガティブすぎる問題の数々は。
「謝れ」と催促されている気分だ。
わかってるからタイミングください。
けどその先の授業はリスニング。それどころじゃない……。
休み時間はなにやら新一が他クラスに捕まっていた。話せない。
２時間目は数学だった。
教科書のコピーもらってるからこれまた会話のタネがない。いや、仮にも授業中だからな。
トントン
ん？
新一が指で机を叩く。彼のノートの隅に文字が書かれていた。
『ごめん』
その一言だけ。私も自分のノートに、
『私こそごめん』
『Aは謝る必要ない。本当にごめん。無神経なこと言って、傷つけた。』
新一も反省しているようだが、あれは私にも非はある。そんな簡単にそちらに全責任負わせられない。
『工藤くんはなにも知らなかったのに私が勝手に怒っちゃったのがいけないんだよ。気にしないで。』
そう書いて新一に見せれば、ガタッと隣で音がした。
「…っその【知らなかった】を知った風に言っちまったのは俺じゃねぇか！」
音の正体は新一で、彼は立ち上がって私に声を発していたのだ。
え、ちょっと待って
「く、工藤くん……今、授業中……」
「あ」
ギギギギと先生の方に顔を向けると、黒いオーラを纏った先生がいた。
「いい度胸だなお前ら。
工藤は問一、陵は問二答えろ」
「は、はい……」
「はい……」
私も立ち上がると、小声で新一が「ごめん」と言ってきた。
うん、今回は完璧とばっちりだね。
「平気。簡単だしあの問題」
「ふっ、言うねぇ……」
余裕の笑みで言って見せれば、ニッと新一も笑う。
２人で正解して、新一は先生に大声出したことに関してデコピンをくらっていた。
教室内爆笑。私も笑ってしまった。
___なんか、こういうのも悪くないね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫苑(プロフ) - 待ってマジか、、、月城ってwうちのファミリィ―ネェーム((リアル名字なんだが、、、ウケる（真顔） (5月31日 6時) (
レス) @page1 id: 3aa754953d (このIDを非表示/違反報告)
#P - ずっと、求めていた小説が見つかりました…！！！ 大好きだぁああ！！ (2022年6月14日 23時) (レス) @page34 id: 9b79f8fc8c (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - ザックの嫁さん» レスが遅れてすみません。コメントありがとうございます。まだ救済まで至っていませんが…頑張りますので見守っていただけると幸いです。コメントありがとうございました！ (2020年1月8日 13時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
ザックの嫁 - 救済とか……… 大好物じゃないの！！ (2019年12月15日 14時) (レス) id: 23809db5c5 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - ラムさんさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです！やっと更新しました……おまたせしました！これからも維持できるよう頑張ります！ (2019年5月4日 22時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅葉 | 作成日時：2019年1月24日 23時
