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仕掛けが42個 ページ43




「……え、十もいるの?」
「イルゾ! イルゾ! 要モイルゾ!」

要と会えることがうれしいのだろう、可愛らしくパタパタする蓮夜。
十がいることに、Aは数日前に気まずい別れ方をしたことを思い出す。
知らない名前が出てきたことに、義勇はAに問いかけた。

「……みつる、とは」
「ああ。書庫で逢った人だよ。……なんでかあの時は不機嫌だったけど、」

しゅんとするAに、義勇は首を傾げる。
あの日の十を思い出して、義勇は再度首を傾げた。

「……兄か?」

的外れなことを言った彼にAは振り向いた。

「違うよ、友人」
「……そうか」

自分と十は似ているだろうか? とAは思いつつ、人の多い往来に出てしまい立ち止まった。

「……迂回する?」
「上行くぞ」

「え''っ、」

路地に入り、ぴょーんと屋根に飛び乗る義勇。
目を丸くしたAを見て、「何をしている、早く来い」と言わんばかりに見つめてくる。

……一般隊士ですらない人間が、どうやってそこに登れると思うんだよ。

義勇は罠張り屋のことをよく知らないと言っていた。
買い被りにも程がある。いや、本質的にはできるし間違ってないんだけどさ。


「……義勇、そんなことしてたら嫌われるよ」
「……⁈」

「心外!」と言わんばかりに目を見開いた。
いやいや、瓦の上フリーランニングはハードル高いから。まだ明るいってのに……見つかったら怒られるぞ〜。
しかしこれ以上遅れるわけにもいかないので、大人しく上に行く。

「……どうした」
「義勇、私は隊士じゃないんだけど?」

Aの言葉に首を傾げて、少し考えてから義勇は意味を理解したのか口を開いた。

「常中してるだろう。できない方がおかしいと思うが」
「……。サヨウデゴザイマスカ」

なにが? 常中が? フリーランニングが?
信用の言葉なのかもしれないが、一歩間違えれば嫌味に早変わりだ。
片言に返事を返したAに、義勇はまた首を傾げる。
無表情のくせにいちいち行動が可愛いんだよ。表情筋仕事しろよ。
そんなことをボーッと考えながら、義勇の後に続く。

義勇が言葉足らずなのはわかっているつもりだが、Aは彼の人間関係が心配になってきた。

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紅葉(プロフ) - うりよさん» まさかの本名が言い直される事件(笑)。コメントありがとうございます!自分で書いてて、夢主は何も知らないから義勇さんの地雷踏みまくるのを「ああぁあぁ!」と思いながら書いてます(笑)。頑張りますね!これからもよろしくお願いします! (2020年3月21日 14時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
うりよ - 錆兎((ゲフンゲフンさびうさぎいいいいいいうわあああああああぁぁぁあああぁぁぁんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん義勇さんがいたたまれない!!!!続き楽しみにしてます! (2020年3月18日 19時) (レス) id: 21c35aca73 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 甘音 舞影さん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえてうれしいです!頑張ります! (2020年3月18日 9時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
甘音 舞影(プロフ) - 好きな展開過ぎてしんどいです、これからま頑張って下さい (2020年3月18日 4時) (レス) id: 299a382383 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉 | 作成日時:2020年2月13日 20時

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