仕掛けが36個 ページ37
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「……あちゃ〜、思いっきり切れてる」
切れた鼻緒をしゃがんで確認する。
それを覗き込む彼は、ボソッと「不吉だな」なんて言葉をこぼした。
「自然に切れたものでもないので大丈夫ですよ」
「……？ じゃあなんで切れたんだ」
うーん、貴方のネガティブ発言にイラついてその矛先を足先に向けていただなんて言えない。
終わった話を蒸し返すのも野暮だろう。首を傾げる彼に一言断って、履物を替えるため罠張り屋の小屋へ向かう。
「……どうして俺だとわかった」
会話の繋がりが唐突だなこの人。
おそらく抱きしめられていた段階での話だろう。遡りすぎだ。
「錆兎は、私を後ろから抱きしめたりしませんから」
そう答えると、ちょうど小屋にも着いた。カタン、と小屋の鍵を外し中に入る。
どうしよう、どうせお休みなら上がってもらった方がいいだろうか。
「……A、」
「はい？」
振り返ると、ズイッと木箱を渡された。
訳がわからずチラリと彼に視線を移せば、ジッと見つめられている。
え、なに。どういう表情なのこれ。
「……錆兎からだ」
____え。
彼の言葉で、もう一度木箱に視線を移す。
ボールペンでも入っていそうな細長い木箱。彼の様子を伺いつつもそれを受け取り、カタンと蓋を開けた。
「____
錆兎の瞳のような紫色の玉飾りが光を反射する。手に取ればシャラリと雫の飾りが揺れた。
「……これ、なんで、」
「最終選別に行く前に買ったんだ。錆兎と一緒に」
最終選別よりも前に？
それ正真正銘の、錆兎からの贈り物____
目を奪われる。
少し西洋風の造りは、私の服装から考えて合わせてくれたのだろうか。
___髪は女の命だろう⁈ 簡単に切るな！___
___髪紐だとよれるんだもん！ めんどい！___
そんな会話が懐かしい。
髪ゴムがないこの時代に使われているのは髪紐で、それをわざわざ結ぶのが面倒で。髪を切ろうとすると錆兎が怒るから、ちょっとからかいのネタにもしてた。
だからって簪ときたか……。
「……簪って、ダメでしょ。ダメだよ。
この世間知らず……絶対意味知らないじゃない」
でも、
「すごく、素敵ね……っ、ありがとう錆兎……」
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紅葉(プロフ) - うりよさん» まさかの本名が言い直される事件(笑)。コメントありがとうございます！自分で書いてて、夢主は何も知らないから義勇さんの地雷踏みまくるのを「ああぁあぁ！」と思いながら書いてます(笑)。頑張りますね！これからもよろしくお願いします！ (2020年3月21日 14時) (
レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
うりよ - 錆兎((ゲフンゲフンさびうさぎいいいいいいうわあああああああぁぁぁあああぁぁぁんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん義勇さんがいたたまれない！！！！続き楽しみにしてます！ (2020年3月18日 19時) (レス) id: 21c35aca73 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 甘音 舞影さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえてうれしいです！頑張ります！ (2020年3月18日 9時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
甘音 舞影(プロフ) - 好きな展開過ぎてしんどいです、これからま頑張って下さい (2020年3月18日 4時) (レス) id: 299a382383 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2020年2月13日 20時
