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仕掛けが34個 ページ35





____なぜそんなにご自分を責めるのですか____

そんなことを言われ、俺は彼女の瞳を見つめた。濃く蒼い瞳は真っ直ぐに俺を見つめていて、その実直さに目を背けたくなる。

怒っていないわけがない。恨んでいないわけがない。
だって俺は____


「……俺は、おまえから錆兎を奪った」


声を震わせて泣く彼女を見ていて、あの日錆兎を失った胸の痛みを知っていて、錆兎がどれほど慕われていたのかを痛感する。
何度も何度も、苦しくなっては舞い戻る。

彼女は、錆兎の大切な人。
錆兎は、彼女の大切な人。

あの日の未熟な俺が、錆兎から彼女との再会すら奪ってしまった。

絞り出した声に彼女は目を細め、パンッと軽く俺の頬を叩いた。痛みはないが衝撃は顔全体に響き、思わず目をパチクリさせた。


「向かって行ったのは錆兎の意思で、彼の覚悟の末の行動です。それでその結果に結び付いたのならば、それは錆兎自身の責任ですよ」

「……っ、だが、」


ヒュッと息が詰まった。
「俺が強ければ」「俺がしっかりしておけば」……幾度となく考えた自責の念。ぐるぐる回る思考回路に、押し潰されまいと心を収めてきた。

揺らすな。心を揺らすな。
迷うな。もう失くさないために。


「錆兎は、貴方に責任を取ってもらいたくて助けたんじゃないでしょう?」


わかっている。
そんなことはわかっているんだ。

それでも____



「それでも、俺は……っ、」





ブチッ





「……ブチッ?」


何かがはち切れるような音がした。視線を向ければ、切れたのは彼女の草履の鼻緒だった。
ふと顔を上げると、彼女がコメカミにビキビキと血管を浮き出させ、背後に仁王のような雰囲気を漂わせている。
尋常でない怒りを向けられ、身体が硬直した。


「さっきからあーだこーだ……ネガティブ発言もいい加減にしてくださいません? ご自分を責めたくなるのは分かりますが、それが回り回って錆兎を侮辱していることに気付いてくださいませ」


「……⁈ 侮辱だなんて、そんな」


「『勘違いするな』と言っているんです。
錆兎は、自分の死を誰かのせいにしたりしません」

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紅葉(プロフ) - うりよさん» まさかの本名が言い直される事件(笑)。コメントありがとうございます!自分で書いてて、夢主は何も知らないから義勇さんの地雷踏みまくるのを「ああぁあぁ!」と思いながら書いてます(笑)。頑張りますね!これからもよろしくお願いします! (2020年3月21日 14時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
うりよ - 錆兎((ゲフンゲフンさびうさぎいいいいいいうわあああああああぁぁぁあああぁぁぁんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん義勇さんがいたたまれない!!!!続き楽しみにしてます! (2020年3月18日 19時) (レス) id: 21c35aca73 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 甘音 舞影さん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえてうれしいです!頑張ります! (2020年3月18日 9時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
甘音 舞影(プロフ) - 好きな展開過ぎてしんどいです、これからま頑張って下さい (2020年3月18日 4時) (レス) id: 299a382383 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉 | 作成日時:2020年2月13日 20時

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