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仕掛けが32個 ページ33




「わざわざ来てくださるとは思いませんでした。
柱である御身、私の我儘にお付き合いいただきありがとうございました」

サッと身なりを整え頭を下げる。
それにしても、柱は任務で忙しいはずだ。
これは任務帰りにでも寄ってくれたのだと考えるのが妥当だ。どちらにせよ長く拘束するわけには行かないのだが。

「……お時間は如何程ありますか?」

「安心しろ、有休だ」
「⁈」

私なんかに有休使っちゃったの⁈
衝撃的なカミングアウトに驚いていれば、彼は無表情のままこちらを見る。


「……錆兎の知り合いと、話してみたかったんだ」


「貴方ほど錆兎と長く時を共にしてはいませんよ」
「……そうかもしれないな」


心なしか寂しそうに目を伏せた彼。
訪れた沈黙に身を任せる。無言を破ったのは彼からの言葉だった。



「……錆兎は、強かった」

「唐突ですね」


そう反射的に突っ込んだものの、彼の雰囲気に口をつぐむ。
拳を握りしめ、言葉を探すように視線を彷徨わせる彼を見つめ、静かに言葉を待った。


「……あんなに若くして、死ぬべき者ではなかった」


ドクンッ、と鼓動が跳ねる。
彼に言われて痛感する、錆兎の死。
乱れた心音を落ち着かせて、気付かれぬ程度に深呼吸する。
どんな最期だったのか、尋ねる前に彼が口を開いた。


「錆兎は、最終選別で死んだ」
「____え、」


思わぬ言葉に目を見開いた。
驚いた声を出した私に、彼は目を細めた。


「……『そんなに早く』と、思ったか?」


否定はできなかった。
稽古をチラチラ見ていた身として、時たまに刀を交えてきた者として、錆兎の強さは知っていたから。
最終選別は余裕で生き残るだろうと思っていた。



____じゃあ、錆兎は、

交えた約束を果たすことなく____?



ヒュッと息が詰まった。
握りしめた拳に力が込もる。錆兎の無念を思うと、どうしたって遣る瀬無くて、ギリギリと握力に任せた爪が掌に傷を作る。

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紅葉(プロフ) - うりよさん» まさかの本名が言い直される事件(笑)。コメントありがとうございます!自分で書いてて、夢主は何も知らないから義勇さんの地雷踏みまくるのを「ああぁあぁ!」と思いながら書いてます(笑)。頑張りますね!これからもよろしくお願いします! (2020年3月21日 14時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
うりよ - 錆兎((ゲフンゲフンさびうさぎいいいいいいうわあああああああぁぁぁあああぁぁぁんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん義勇さんがいたたまれない!!!!続き楽しみにしてます! (2020年3月18日 19時) (レス) id: 21c35aca73 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 甘音 舞影さん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえてうれしいです!頑張ります! (2020年3月18日 9時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
甘音 舞影(プロフ) - 好きな展開過ぎてしんどいです、これからま頑張って下さい (2020年3月18日 4時) (レス) id: 299a382383 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉 | 作成日時:2020年2月13日 20時

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