仕掛けが12個 ページ13
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「うわぁ、蒼鉄山なんて久々に来た」
「お隣さんなのにな〜」
「任務以外でわざわざ山から山に行きたくないもん」
そんなこんなでやってきたのは蒼鉄山。
十の師範であり担当育手である、
山を登っていると見えてきた小屋。
十が戸を開け、鏡美に呼びかける。
「鏡美、帰った……ぞ」
部屋の真ん中で、赤い液体を纏い倒れている女性が。
部屋は荒らされ、辺りに物が散乱している。その異様な光景に、ヒュッと2人の息が止まった。
「……っ、鏡美⁈⁈」
十の声でAもハッと我に帰る。
……まさか鬼⁈ こんなところまで⁈
駆け寄り鏡美の肩を抱く十。
Aも急いで駆け寄れば、十の腕の中の鏡美から、規則正しい寝息が聞こえた。
「……寝てる?」
「マジか鏡美この野郎……あとで説教だな」
「はぁーーーーっ」と大きくため息をつく十だが、心配が顔に出ていて笑ってしまう。
血に見えたのはトマトジュースという、なんともベタベタな展開だった。
▽
「いやぁ、申し訳ないっ!
作業に没頭してたら喉渇いちゃって、トマトジュース取って戻ってきたら本に躓いちゃってさ〜!
あはははっ、まるで強盗現場〜!」
「笑いごとじゃないっ‼‼」
ボサボサの髪を手櫛で整えながら笑う彼女、鉄の呼吸育手である白金 鏡美は、育手と並びに毒薬を研究する調薬師の面を合わせ持つ。
その実力は現蟲柱、
「頭打ったんだろ。一応診察するからそこ座れ」
「十は過保護だね〜大丈夫だよ〜」
育手と罠張り屋の仕事が二分されているとはいえ、この2人はほぼ同棲状態だ。
その理由はお互いの知識からの利害の一致だ。
十は自然薬学を鏡美から学び、前世の記憶から医学の知識も携えている。よって十の医学の知識から鏡美の薬の見識を広め、なんならお互いが効果を狙って作り出された物もある。
つまり、お互いの知識がお互いの仕事に相乗効果を与えるWIN-WINの関係なのだ。
……まあ、それはほんの小さな理由であって、
「か〜が〜み〜!
おまえってやつは! たった7日でどうしたらこんなに部屋が荒れるんだ⁈」
理由の大半は、鏡美の生活力のなさである。
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紅葉(プロフ) - うりよさん» まさかの本名が言い直される事件(笑)。コメントありがとうございます!自分で書いてて、夢主は何も知らないから義勇さんの地雷踏みまくるのを「ああぁあぁ!」と思いながら書いてます(笑)。頑張りますね!これからもよろしくお願いします! (2020年3月21日 14時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
うりよ - 錆兎((ゲフンゲフンさびうさぎいいいいいいうわあああああああぁぁぁあああぁぁぁんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん義勇さんがいたたまれない!!!!続き楽しみにしてます! (2020年3月18日 19時) (レス) id: 21c35aca73 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 甘音 舞影さん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえてうれしいです!頑張ります! (2020年3月18日 9時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
甘音 舞影(プロフ) - 好きな展開過ぎてしんどいです、これからま頑張って下さい (2020年3月18日 4時) (レス) id: 299a382383 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅葉 | 作成日時:2020年2月13日 20時