46.理由 ページ4
不二side
僕は、彼女ができた。
高井佳代さんと言って、クラスの男子の中では絡みやすくていい子と話題になったことがある。
僕には別の好きな人がいたんだけど____
仕方なかった。
だって皆も、『死にたい』って思うくらい悩んでる子がいたら…助けたいって思うでしょ?
____
「ん…」
あれ、寝ちゃってた…か。
部活もう終わる頃かな…?
ガチャ
「…あの、不二くん」
「ん?ああ、高井さん。どうしたの?」
高井佳代…クラスの風紀委員。
評判もいい。
「………ぃ」
え?
「…助けて下さい」
「え?どういうこと?なにかあったの?」
「……っ私、親から虐待受けてて、その、親が会社の社長だから頭が良くないといけないのに、テストで10位以内に入れないから…」
「それを、どうして僕に?」
「でも、お父さんが"頭がよくて品のある男"を連れて来たらテストで点数取れなくても何もしないって言われて…」
それで僕を?なんで僕なんだろう。
「どうして、僕がいいと思ったの?」
「不二くんしか思いつかなくて…」
「でも……」
彼女の話を聞く限り、僕が彼女のお父さんの後を継ぐということになる。
助けてあげたいけど…
「もし私が連れて来なかったら、今児童相談所に保護されてる妹が家に戻って来ないかもしれなくて…っ」
「っ…」
兄弟がいない辛さは僕にだって分かる。
それに、僕のときは違う学校に行っただけだったし、今は仲直りをして休日打ち合ったりしている。
それが、もし会えないなんてことになったら……。
「お願い、助けて…」
「…」
どうすればいいんだろう…。
「私、もう辛いの…今ここから飛び降りて楽になりたいくらいに。ねえ、お願い…不二くん…っ」
「!?」
飛び降りて、って…僕はそんな虐待を受けたことがないから分からないから止めることができない。
高井さんは屋上のフェンスまで行ってフェンスに手をかける。
「…私は、いつでもここから飛び降りることができる。それくらいの覚悟があるの。楽になりたいよ…」
「っ待って!…君の言うことは聞くよ。だから…ね?」
「!!……ありがとう…」
____
こうして、僕たちは付き合った。
僕は、彼女のために、自分の気持ちを押し殺さなくちゃいけない____
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ふじりんご(プロフ) - Le-caさん» ありがとうε-(´∀`;)ホッ 頑張る! (2019年10月11日 18時) (レス) id: 42d7d11660 (このIDを非表示/違反報告)
Le-ca(プロフ) - 最新話よかったよ〜?更新しないからやや心配してたけど熱は仕方ないね!これからも頑張って! (2019年10月10日 20時) (レス) id: 0ae78945e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふじりんご | 作成日時:2019年9月26日 19時