Ｎｏ．４４ ページ7
黒尾ｓｉｄｅ
A『なんにも知らねーくせに、調子こいてんなよ』
頭の中でリピートされる声。
放たれたその言葉と低い声は、可愛らしい容姿からは考えつかないほど冷たかった。
【貼り付けた笑顔】。
それが彼女の第一印象。
俺も他人に言えないほど猫被りだから、同族にはすぐに気がついた。
ただの逆ハー狙いの
だから、揺さぶってみた。
そしたら、すぐに引っかかった。
でも、みえたのは、俺の予想とははるか別のもの。
例えるならば、【欲しいものを強請らない幼児】。
あの子は、自分が思っている以上に青葉城西男子バレー部を大切に思っている。
仕事の態度を見ても、ミスなんて１つもない。
ドリンクもタオルもやるし、記録も細かくつけている。それに、その仕事をやっている本人が楽しそうだし。
でも、彼女の中で【何か】が邪魔をして、チームメイトとは一線を引いているようだった。
孤爪「……クロ、平野さんが好みなの？」
休憩中、彼女をじっと見つめていたせいか、隣から声をかけられた。
そこにいたのは、研磨。
上目遣いに俺を見て、大きな瞳に俺を映している。
……うん、可愛い←
黒尾「初対面なのに惚れるかって」
孤爪「一目惚れとかもあるでしょ」
自分のタイプとは違う。
それに、俺は髪はロング派だし。
ショート派のやっくんに言えばいいのに。
と、そう思った瞬間。
孤爪『……クロ、平野さんが好みなの？』
研磨の言葉が脳内によぎる。
……おかしい。
こんな短期間に、初対面でしかも女子の名前を…何故、研磨が知っている？
黒尾「研磨、あの子の名前は『水口』だろ？」
驚いて研磨にそう返していた。
すると、研磨は平然とした顔で俺にこう言った。
孤爪「……え、クロ…忘れたの？
水口さんって＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿」
そして、研磨は少しスマホを操作すると、それを俺に向けてきた。
そこには……今の彼女とは別人な、クセのついた長い明るい茶髪の生意気そうな幼い少女が映っていた。
強気な目は、確かに【本性】をむき出しにした彼女とよく似ている。
不自然に変わった名字。
それに伴うように変わった住所。
無理矢理演じる性格。
激変した外見。
黒尾「……なーるほど」
なんとなく、予想がついた。
そして、彼女に申し訳なくなった。
彼女が猫被る…『いい子ちゃん』を演じる理由。
それは、たった１つだろうに。
黒尾ｓｉｄｅ終了
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 651人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまね(プロフ) - しらふくであってると思います‥ (2021年2月11日 23時) (
レス) id: 352eb5c0f7 (このIDを非表示/違反報告)
なちゅまろ氏(プロフ) - 夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花（仮）さん» こんなに熱く語って頂いたのは初めてで、とっても嬉しいです！続編を放置気味にしてますが、ここまで熱く語って頂いたのでめちゃ張り切って書きますね！本当にありがとうございます！応援大変嬉しいです！オールは身体と相談して行って下さいね(*^^*)ｗ (2018年4月4日 16時) (レス) id: 05d9494c58 (このIDを非表示/違反報告)
夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花（仮） - まあ、長話はこの辺にしておきますね。本当にありがとうございました！！！すっごい元気出ました！眠気なんて吹っ飛びました！←何気に此奴オールしてやがるw 続編もこの後見させてもらいます！（ギガが減らないくらいに…（遠い目）←小説好き((では、長文失礼！ (2018年4月4日 6時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花（仮） - ろうって思いましたよ本当。そして作者からの「で、す、が。まだここで終わりません（笑）」見たとき続編のこと忘れててめちゃ喜びましたwあ。あと、これまだ占ツク完全にインしてないのでコメント返信きても通知が来ません。なので、後日また見させてもらいます。 (2018年4月4日 6時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花（仮） - やめておきますw占ツクの「探す」で「いい子ちゃんをやめた私は、正式なマネージャーです。」を見つけて初めから読んだのですが、ここまでいい作品に出会えるとは！！しかも最終話？読んだのが夜中から明け方というなんとも絶好のタイミングでして。もうね、めちゃ頑張 (2018年4月4日 6時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なちゅまろ氏 | 作成日時：2017年11月19日 17時
