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No.69 ページ34

Aside



松野「今日は此処で食べない?」

A「あーうん、いいよ」


屋上の扉の前の踊り場に腰を下ろす。


松野「やっぱり、Aのお弁当は綺麗だね!」

A「そうかな?ありがとう!」


お弁当を広げれば、未羽はそう言う。

それから、話をして食べた。
でも、頭の中では国見のことばかり考えて、何を話しているかあやふやだった。

そのため、未羽の話を聞いて相槌を打つことしかできない。


松野「ごちそうさま」

A「ごちそうさまでした」


二人で手を合わせ、そう言う。
お弁当も味がわからなかったな。


そう思って、腰を上げたその瞬間______


松野「ねえ、話があるの…聞いてくれない?」


未羽が突然そう告げた。

私は驚いて未羽を見る。
未羽は笑って私を見ていた。


A「あ、うん。いいよ」


そう言って、へらっと笑う。
上げた腰を下ろし、私はその場に座る。

すると、未羽は話を始めた。


松野「私ね、今一人暮らしで。
関東から引っ越してきたの。

ある人を追ってね。
その人は、私にとってヒーローなんだ」


未羽が自分の話をするのは初めてだ。

普通の女子は、自分の自慢話しかしない。
だから、未羽は一緒にいても疲れないタイプの人間。

そんな未羽から話をされたから、私も多少の興味はわいた。


A「そうなんだ!
因みに、その『ある人』ってどんなことをしてくれたの?」


私は笑ってそういえば、未羽は微かに笑った。

そして、「そうだなー」と懐かしむかのように口にする。


松野「私は、昔のほうが大人しくて……。
中1の時から、学級委員長をやってたの。本当は嫌だったんだけどね。

言うことを聞かない子がいると、『委員長の言うことは絶対なんだよ』って、その子達に言ってくれたりしてた」


私は相槌をうつ。

私もよくやってたなー。
だって、ルールはルールじゃん?
まあ、よく校則破ってた私が言えることじゃないけど。


松野「その子は、周りから怖がられてた。
でも、私はその子の優しさに気づいてた。だって、私が困ってる時、毎回助けてくれたもん。

それに、陸上部に入ってたんだ。
よく二人の男の子と共に行動してて、その二人の前だと、楽しそうに笑うの。

そして、茶色の長いクセっ毛が特徴的だったな」


そう言われた瞬間、私の顔から血の気が引くのがわかった。

だが、未羽はそんな私にこう言い放った。


松野「私、東京生まれなの。
ねえ、A……いや、平野さん?」

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あまね(プロフ) - しらふくであってると思います‥ (2021年2月11日 23時) (レス) id: 352eb5c0f7 (このIDを非表示/違反報告)
なちゅまろ氏(プロフ) - 夢花 ゆめいろ星(スター)の夢花(仮)さん» こんなに熱く語って頂いたのは初めてで、とっても嬉しいです!続編を放置気味にしてますが、ここまで熱く語って頂いたのでめちゃ張り切って書きますね!本当にありがとうございます!応援大変嬉しいです!オールは身体と相談して行って下さいね(*^^*)w (2018年4月4日 16時) (レス) id: 05d9494c58 (このIDを非表示/違反報告)
夢花 ゆめいろ星(スター)の夢花(仮) - まあ、長話はこの辺にしておきますね。本当にありがとうございました!!!すっごい元気出ました!眠気なんて吹っ飛びました!←何気に此奴オールしてやがるw 続編もこの後見させてもらいます!(ギガが減らないくらいに…(遠い目)←小説好き((では、長文失礼! (2018年4月4日 6時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
夢花 ゆめいろ星(スター)の夢花(仮) - ろうって思いましたよ本当。そして作者からの「で、す、が。まだここで終わりません(笑)」見たとき続編のこと忘れててめちゃ喜びましたwあ。あと、これまだ占ツク完全にインしてないのでコメント返信きても通知が来ません。なので、後日また見させてもらいます。 (2018年4月4日 6時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
夢花 ゆめいろ星(スター)の夢花(仮) - やめておきますw占ツクの「探す」で「いい子ちゃんをやめた私は、正式なマネージャーです。」を見つけて初めから読んだのですが、ここまでいい作品に出会えるとは!!しかも最終話?読んだのが夜中から明け方というなんとも絶好のタイミングでして。もうね、めちゃ頑張 (2018年4月4日 6時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なちゅまろ氏 | 作成日時:2017年11月19日 17時

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