ぶりっ子ならぬ、いい子ちゃんの私はマネージャーです。【青葉城西】

Ｎｏ．６ ページ6

A「さっき、言いふらさないって言ったじゃん！」

国見「そんなこと言ってないし。
今まで言いふらさなかった理由を言っただけじゃん」


こんのセンター分けが。

まあ、言うことを聞けば『いい子ちゃん』のまま、みんなから愛されるなら全然いいしね。

それに、コイツが下衆(げす)なこと言うとも思えないし。


A「で、なんなの？」


私がため息をつきながらそう言うと、国見はこう言った。


国見「１つ目は、俺の前では『いい子ちゃん』はやめること」


案外、普通の条件だわ。

すると、国見が「だって、見てるだけで気持ち悪いもん」とさ抜かしやがったから、とりあえず殴っておいた。


国見「２つ目は、マネージャーになって」

A「は？」


２つ目で意味がわからないのが来た。

何故、マネージャー？
つーか、コイツ何部だし。


国見「来週の四連休に、３泊４日の合宿があるんだよ。その時、マネージャーいないと結構大変でさ。

だから、明日から合宿終了まででいいからマネージャーやってくんない？」

A「いやいや、待ってよ。
マネージャーなら違う子に頼めばよくない？

つーか、なんで合宿前からマネージャーやんないといけないの？」


私、マネージャーやったことないんだけど。

中学では陸上部だったし。


国見「うちの主将が自称・イケメンでさ。
その人目当てでマネージャー希望して、さっぱり仕事やんないって奴が多くてさ。

でも、お前の場合は弱味握ってるから、そんなまねできないじゃん？
好都合かなって思ってさ」


あー、あるあるだね。

逆ハー狙ってマネージャー希望とか痛い。
漫画じゃないんだから、そう簡単にみんなが自分を好きになるとかありえないでしょ。


A「自称・イケメンとか痛いな。
まあ、なんとなくわかったわ。

でも、なんで合宿当日以外もマネージャーやんないといけないの？」

国見「当日だけマネージャーやったら、仕事慣れてなくて、逆に足でまといでしょ？」

A「正論すぎてなんも言えねー」


まあ、これだけならいい条件か。
それに、素で喋ったほうが楽だし。

マネージャーだと、放課後のバイトが難しくなるな。
まあ、２週間程度だけだし、いっか。


A「了解したわ。明日からでいいの？」

国見「よろしく」


そういうわけで、私は国見の部活の期間限定マネージャーをすることになった。

だが、私は知らなかった。

国見が、まさか男子バレー部だったとは……。

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