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No.36 ページ36

東北についてきたはいいものも、彼女は変わってしまった。

名字、髪色、髪型、服装、性格、成績、話し方。


彼女の激変には驚きを隠せなかった。
でも1番驚いたのは、髪について。

彼女は、とても明るい茶色の少し内巻き気味なロングだったはず。

髪について、部内の先輩に指摘されたところ、


A『私の兄と父がロングのほうが好きで……。
それに、この髪色好きなんですよ』


幼い笑顔を浮かべながら、彼女はそう言っていた。

何度か彼女の兄を見たことがあったが、彼女と同じ髪色でとても整った容姿をしていた。


あの頃の笑顔に比べ、今の笑顔は全てを計算されているような気がする。

なんて、「うーん」と唸りながら歩いていたら、


______ドンッ


先輩『おいっ!なに、ぶつかってきてんだよ!』

松野『え!?す、すみません!』


周りを見ていなかったせいで、怖そうな女子の先輩にぶつかってしまった。


先輩『アンタのせいで、髪崩れたじゃん!
責任取りなさいよ!』


責任と言われましても、どうすればいいかわかりませんね。

てか、謝ったし……。

取り敢えず、逃げようかな?


行き交う人々は、好奇の目で私を見てくる。
助けてくれるはずもなく、今後の展開が楽しみなようだ。

……まるで、水口さんに助けたられたあの日のよう。


そう思ったその刹那、


A『先輩、お取り込みのところいいですか?』

松野『!?』


いつものように笑顔を浮かべた水口さんが現れた。


先輩『アンタ、誰?』

A『1年です。まあ、そんなことはおいといて。
先程、数学の先生と会いまして。
その時、早めに課題を出すよう伝えてほしいと頼まれまして。

出さないと大きく減点するって言ってましたよ?』


彼女は早口にそう告げた。

そして、トドメに先輩に囁く。
なんと言っているかわからなかったけど、先輩は一瞬にして青ざめ、逃げるように去っていった。


……嗚呼、やっぱり水口さんは平野さんだ。


無意識にそう思った。


どんなに外見を見繕うと、中身は彼女のままなのだ。

私は何を戸惑うことがあったのだろう。
人間は短時間でそう変わることはできない。

彼女は変わらなければならない理由があったのだ。


東京から宮城にきて名字も違う、ときたら予想はだいたいつく。

彼女が自慢の髪を捨てるくらいの大事が起きたのだろう。


大丈夫、私は無条件に貴女の傍にいるから。



松野side終了

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なちゅ。(プロフ) - キルアさん» ありがとうございます!松野はこれから活躍してくれるんで、今後も楽しみにして頂けると嬉しいです! (2017年11月27日 15時) (レス) id: 05d9494c58 (このIDを非表示/違反報告)
キルア - 松野ちゃん好きw更新楽しみにしてます! (2017年11月27日 15時) (レス) id: e4b26041ab (このIDを非表示/違反報告)
なちゅ。(プロフ) - にゃむさん» ありがとうございます。では、引き続き7画で書かせていただきます! (2017年11月17日 23時) (レス) id: 05d9494c58 (このIDを非表示/違反報告)
にゃむ(プロフ) - 7画であってると思いますよ (2017年11月17日 21時) (レス) id: 4d532d48c5 (このIDを非表示/違反報告)
なちゅ。(プロフ) - プリフラさん» ありがとうございます!頑張りますので、これからもこの物語をよろしくお願いします! (2017年11月17日 6時) (レス) id: 05d9494c58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なちゅまろ氏 | 作成日時:2017年11月4日 18時

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