No.25 ページ25
国見「お前ってどこらへんに住んでるの」
A「日本」
国見「はいそういう奴いるよねー。
マジムカつく。こんの、胸平めが」
A「黙れ、センター分け」
体育館を離れ、国見と帰る。
私の場合、少し遠いのでバスを使う。
とある中学校の近くなのだが、バスで行けば10程度だ。
そのことを国見に告げると、いつものように関心が無い間抜けた「ふーん」という声だけが返ってきた。
2人でバスに乗り込むと、中はまだ空席だった。
私達以外に乗車しているのはいないようで、空いていれば座る奥の左側に腰をおろす。
すると、国見も私の隣に座った。
そのままバスは発車して、景色が揺れる。
その揺れが心地好くて、段々と眠気が私を襲ってきた。目がしょぼしょぼしてきて、まぶたが重い。
国見「眠いの?」
A「昨日、徹夜でバレーのルール覚えてたから……」
国見「マジか、凄いな」
国見はそう言うと、私の頭に触れた。
私の髪の毛で遊び出したから、肩に向かって頭突きをする。
だが、なんだか無性にコイツの傍にいるのが心地好くて、そのまま目を閉じた。
国見「ねえ、俺も一応男なんだけど?」
A「知っとるわ、ボケ」
……懐かしい。
中学時代は、バスに揺られて3人で帰った。
後ろの5人がけの席をぶんどって、イビキをかきながら寝たもんだ。
寝すぎて起きなくて、車掌さんに起こしてもらったり。
……嗚呼、あの日に戻りたい。
A「……ひっ……ぅう」
頬に涙が伝うのがわかる。
一瞬、驚いた国見がピクリと動いたが、何も言わずにそっ……と頭を撫でてくれた。
なんで、なんで……。
なんで、私を捨てたの?
『私の可愛い娘よ』
『俺の自慢の娘だ』
あの言葉は嘘だったの?
『あんな子、要らないわ』
『お荷物なだけだろ』
そんなこと言わないで。
小さい頃は、4人で楽しく遠出したのに。
誕生日だって、大きなホールケーキを買ってくれたのに。
バスの中には、私のすすり泣く声だけが小さく響いていた。
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いい子ちゃんをやめた私は、正式なマネージャーです。
兄が大嫌いなので白鳥沢に来たら、兄の大嫌いな若利君に気にいられてしまった
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なちゅ。(プロフ) - キルアさん» ありがとうございます!松野はこれから活躍してくれるんで、今後も楽しみにして頂けると嬉しいです! (2017年11月27日 15時) (レス) id: 05d9494c58 (このIDを非表示/違反報告)
キルア - 松野ちゃん好きw更新楽しみにしてます! (2017年11月27日 15時) (レス) id: e4b26041ab (このIDを非表示/違反報告)
なちゅ。(プロフ) - にゃむさん» ありがとうございます。では、引き続き7画で書かせていただきます! (2017年11月17日 23時) (レス) id: 05d9494c58 (このIDを非表示/違反報告)
にゃむ(プロフ) - 7画であってると思いますよ (2017年11月17日 21時) (レス) id: 4d532d48c5 (このIDを非表示/違反報告)
なちゅ。(プロフ) - プリフラさん» ありがとうございます!頑張りますので、これからもこの物語をよろしくお願いします! (2017年11月17日 6時) (レス) id: 05d9494c58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なちゅまろ氏 | 作成日時:2017年11月4日 18時