ぶりっ子ならぬ、いい子ちゃんの私はマネージャーです。【青葉城西】

Ｎｏ．１９ ページ19

A「お疲れ様です。
こちら、タオルとドリンクです」

花巻「おお！タオルじゃん！」

松川「ありがとうな、Aちゃん」


授業が終わり、部活が始まる。

今日のうちから乾かしておいたタオルを配ったが、とても高評価だった。


というか、部員のみんな優しい。

スポドリのカゴは、必ず持っていってくれるし。
「なにか手伝うことは？」と自主的に手伝いを申し出てくれる。

カゴはお願いしたが、手伝いは断った。

因みに、手伝いの申し出は、
「練習を頑張って頂くことが、私にとって１番のお手伝いです」と笑って言ったら、顔を真っ赤にして喜んでくれた。


国見「……ミーハー」

A「あ"あ"？んなこたぁ、知っとるわ」

国見「自覚ありかよ」

A「当たり前でしょ」


休憩中、国見が私の元にきて、そう言った。

てか、わざわざこっちにきて言ったのが、「ミーハー」とか酷くない？自覚あるけど。


A「てか、昨日は及川先輩ファンいなかったのに、今日は凄いね」

国見「……慣れた」

A「そんな顔しても説得力無いわ。
てか、私のことめっちゃ睨んでたよ。すれ違いざまに悪口言われて、突き飛ばされたし」


私は笑いながら言った。


今日は、大量の女の子達が体育館に集まっている。

全員が及川先輩のファンらしい。
みんな、「キャーッ！」とか「とおるぅ！」とか叫んでたし。

まあ、それに手を振る及川先輩も十分キモイ。


勿論、ついこの間までいなかった私という名のマネージャーが現れ、めっちゃキレてたけどね。

「なにあの子？」とか「マネージャーは募集してないんじゃなかったの！？」とかカンカンに怒ってました。

それに、すれ違いざまに「調子こくな、ブス」って言われて、突き飛ばされた。

本当、女の子って怖いよねえ。
中学時代も女子から好かれたことなかったわ。


国見「……誰にやられたの」


すると、国見から低い声が響く。

慌てて国見を見ると、めっちゃ眉間に皺が寄ってる。
……え、おこですか？


A「そ、そんなに怖い顔しないでよ」

国見「誰にやられたの？特徴は？
髪型とか、髪色とか、学年とか、雰囲気とか、あと」

A「ちょ、わかった！
本気になりすぎだよ、怖いって」


本気で怒っているようで、国見の額には青筋が浮かんでいる。

……なんで、私のために怒ってくれるの。

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