Ｎｏ．１７ ページ17
＿＿＿＿＿＿バタンッ
A「はぁーっ」
玄関に入って、深いため息をつく。
電気をつけ、靴を脱ぐと一目散にリビングに向かった。
ソファに鞄を叩きつけるように投げる。
そして、「あ"ーっ！」と叫ぶと、すぐさま晩御飯作りに取り掛かった。
少し前に遡る。
及川先輩に言い返し、私は走って身支度を整えた。
私が体育館に戻った時には、部員全員が帰り足で。
国見から「送っていく」と言われたが、「そんなに仲がいいと怪しまれる」と私は言って、全員に「お先します」と笑顔を貼り付けて、逃げるように帰ってきた。
……ムカつく。
なんで、こうも立て続けにバレるかな。
私の『いい子ちゃん』は、そんなに容易くわかるようなもんじゃない。
現に、クラスメイトや先生は騙されてる。
『【貼り付けた笑顔】なんて、俺らには通じないよ』
及川先輩の声が蘇る。
A「私だって、好きでやってんじゃない」
作業をしている手が止まった。
……私だって、頑張ってる。
もう二度と傷つかないように。
もう二度とあんな苦しい思いをしないように。
もう二度とあんな悲しい思いをしないように。
『A、支度おせーよ！早く走ろうぜ！』
『待ってるから、早くきなよ』
【あんなこと】がなければ、私はずっと…幸せな家庭の中で心から信頼できる２人の友人と笑い合っていた。
普通の女の子でいられたんだ。
嘘で塗り固められた私に微笑んでくれる未羽に罪悪感がないわけじゃない。
言い訳に言い訳を重ねて、すぐに壊れる足元を必死に守って。
A「でも……もう、後戻りなんてできないよ」
もし、【あんなこと】が起きる前の日常に戻ったとして、私は外見から全て変わってしまった。
もとは内巻き気味で、色素も薄く腰まであった髪。
それは今では、真っ直ぐな黒色のボブ。
画数の多くて、書くのが大変だった名字。
今では、その名字も７画しかない。
＿＿＿＿＿＿シャーッ
洗面所の流しの音だけが響いていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 518人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
ぶりっ子ならぬ、いい子ちゃんの私はマネージャーです。２【青葉城西】
いい子ちゃんをやめた私は、正式なマネージャーです。 兄が大嫌いなので白鳥沢に来たら、兄の大嫌いな若利君に気にいられてしまったもっと見る
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なちゅ。(プロフ) - キルアさん» ありがとうございます！松野はこれから活躍してくれるんで、今後も楽しみにして頂けると嬉しいです！ (2017年11月27日 15時) (
レス) id: 05d9494c58 (このIDを非表示/違反報告)
キルア - 松野ちゃん好きw更新楽しみにしてます！ (2017年11月27日 15時) (レス) id: e4b26041ab (このIDを非表示/違反報告)
なちゅ。(プロフ) - にゃむさん» ありがとうございます。では、引き続き７画で書かせていただきます！ (2017年11月17日 23時) (レス) id: 05d9494c58 (このIDを非表示/違反報告)
にゃむ(プロフ) - 7画であってると思いますよ (2017年11月17日 21時) (レス) id: 4d532d48c5 (このIDを非表示/違反報告)
なちゅ。(プロフ) - プリフラさん» ありがとうございます！頑張りますので、これからもこの物語をよろしくお願いします！ (2017年11月17日 6時) (レス) id: 05d9494c58 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なちゅまろ氏 | 作成日時：2017年11月4日 18時
