第１７２話 ページ22
Aｓｉｄｅ
浮遊感に包まれ体が、
次第に覚醒して重力を感じていく。
徐々に覚醒していくのを感じながら、私は目を開けた。
私の瞳には、見慣れた自室の天井が見えた。
すげぇ、生きてる。
そう感じながら、起き上がろうとした時……。
A「！」
右手に温もりを感じた。
見てみると、そこには三日月さんがいる。
私の手を握って熟睡していた。
山姥切「やっと目を覚ましたのか」
A「や、山姥切国広さん！」
襖が開き、手に桶を持った山姥切国広さんが現れる。
よ、よかった……なおせていたようだ。
山姥切「お前、２週間寝てたんだぞ」
A「まーじか」
山姥切国広さんの言葉にそう返す。
寝たきりってこんなにも体がバキバキになるんだね。
あ、でも痩せてる気がするわ。
山姥切「お前の無くなった霊力の補充は、
この本丸で一番神気の強い三日月が行っていた。
寝ずに看病していたせいで、肝心な時に爆睡してるけどな。
……三日月は、本丸で一番お前を心配していた。
本来、三日月宗近という刀はそういう奴だ」
山姥切国広さんはそう言って、
愛おしそうに三日月さんの頭を撫でる。
その手つきは晴さんに似て、とても優しかった。
それなのに、私は……。
A「……晴さんが助けてくれた。
だから、私は生きてるんだ。
それに……晴さんがいなかったら、
貴方も中途半端に再製されて…本当に消滅したかもしれない」
私の霊力が足りなかったから。
私が審神者として未熟だったから。
私が不甲斐なかったから。
晴さんがいなかったら、
私は勿論、山姥切国広さんすらいなかった。
そしたら、みんなが益々悲しみに沈んでしまう。
私が……私が駄目だから、私が駄目な審神者だから。
A「やっと、みんな人を信じられるようになった。
それに、晴さんの誤解も解けた。
だから……私じゃない才能ある人がみんなの主になるべきだと思う」
布団を掴む手の力が強くなった。
シーツにシワが広がる。
三日月「……そんなこと言わないでくれ」
A「え？」
右手の温もりが消え、全身を優しく包み込まれる。
いい匂いが鼻をかすめた。
三日月「俺は……、俺らは……っ…お前が主がいい」
A「！」
胸がじわりと温かくなった。
第１７３話 ー三日月編ー→←第１７１話 ー長谷倉先生余談�Α�
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蜂の巣 - 194話冒頭の「長谷『倉』side」が「長谷『部』side」になってます (2019年3月9日 1時) (携帯から) (
レス) id: d5ccda77cf (このIDを非表示/違反報告)
紀羅 - 多種多様性って知らんのか！昔の人間だからな…と思いました (2019年1月29日 0時) (レス) id: 80e8fc00d9 (このIDを非表示/違反報告)
シュヴィーレイン(プロフ) - コメント失礼します。今回更新の部分で浪士3を倒す場面で、小夜が言ってるセリフが自分で入れた名前になっているのですが… (2019年1月8日 22時) (レス) id: 74f7c9dea9 (このIDを非表示/違反報告)
白器(プロフ) - え、まって泣いた、めっちゃ泣いた！2回ぐらい。更新、できたらでいいので待ってます！ずっと待ってます！ (2018年12月18日 19時) (レス) id: 606a83cb8b (このIDを非表示/違反報告)
桜 - やばい…先生かっこよすぎる。え、イケメンなんですけど。本当にかっこいい！！！！やばすぎじゃないですか！？マジで本当にかっこいい…惚れました。更新やめたのかな？？？できれば続けて欲しいです。 (2018年11月27日 22時) (レス) id: fcb91909ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なちゅまろ氏 | 作成日時：2018年8月1日 12時
