7 ページ8
浦田視点
カジノの一件から年が明け、新年度を迎え、俺は東京都立呪術高等専門学校の教師となった。
…まぁ、担当は三年生の坂田とセンラだけど。
馴染みがある分安心できる。
既に数ヶ月立っている為、教師の立場にも慣れて来た。
水筒に入れて来たお茶を飲みながら、職員室の自分の席に座って、全員の技能が載った名簿をぼんやり眺めて居ると、五条先生が窓から入って来た。
手には銀座の老舗の紙袋を持って居て、やまだが狙って居て紙袋に触れようとしたら、ひょいっとお預けを食らい、やまだは触れられないのに五条先生に噛みつこうとして居る。
五「うらちゃ〜ん、就任おめでと〜。」
浦「……。」
うらちゃんと呼ばれてイラッと来て睨むと、五条先生は吹き出した。
五「えっ、何何?もしかしてだけど、身長低いの気にして……。」
や「シャー…!!!」
やまだが五条先生に牙を剥いて、昨日見た野良猫の真似をして、俺も一緒に睨んで置く。
五「ごめんごめん、僕が悪かった。…でも、身長が低い方が、浦田はかわ…。」
浦「よし、やまだ。今日から五条先生の飯に砂糖と唐辛子入れるぞ。」
や「きゅう!」
五「待って、ごめん。本当に僕が悪かったから、お昼の楽しみを奪わないで…!」
浦「分かれば良いんです。やまだ、唐辛子で許してやる事にしよう。」
五「ごめんって!!ほ、ほら!浦田が食べたがってた老舗のおかき!買って来たから皆んなで食べよ!」
浦「やったな、やまだ。」
や「きゅ〜!」
湯呑みにお茶を淹れ、やまだ用の小さな手作り湯呑みにも冷ましてから入れる。
持って来やまだに個包装を開けて渡し、俺が食べる為に一袋開けて食べる。
浦「あ、美味しい…。」
五「でしょでしょ〜?朝早くから並んだ甲斐があった。」
浦「いや、今朝は一年生の課外実習だったんだしょ。」
五「その間に買って来た。」
浦「はぁ…。」
相変わらずの行動力に、俺は溜息を吐いてしまうが、五条先生はお構いなしに色々話す。
五「うらた、ちょっと明日一年頼んで良い?」
五条先生は急にそんな事を言い始め、食べ掛けのおかきをやまだに上げて手を拭いて手帳とペンを持ち、今どんな事をして居るのか聞くと、本当に簡単に説明してどっか行った。
夜蛾「浦田、五条は…。」
浦「知りません。」
夜「…はぁ…。」
あの人を止めれる人は、誰にも居ないだろうな、うん。
22人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ララ(ランタ) | 作成日時:2022年7月5日 15時