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浦田視点


 カジノの一件から年が明け、新年度を迎え、俺は東京都立呪術高等専門学校の教師となった。



 …まぁ、担当は三年生の坂田とセンラだけど。



 馴染みがある分安心できる。



 既に数ヶ月立っている為、教師の立場にも慣れて来た。



 水筒に入れて来たお茶を飲みながら、職員室の自分の席に座って、全員の技能が載った名簿をぼんやり眺めて居ると、五条先生が窓から入って来た。



 手には銀座の老舗の紙袋を持って居て、やまだが狙って居て紙袋に触れようとしたら、ひょいっとお預けを食らい、やまだは触れられないのに五条先生に噛みつこうとして居る。



五「うらちゃ〜ん、就任おめでと〜。」



浦「……。」



 うらちゃんと呼ばれてイラッと来て睨むと、五条先生は吹き出した。



五「えっ、何何?もしかしてだけど、身長低いの気にして……。」



や「シャー…!!!」



 やまだが五条先生に牙を剥いて、昨日見た野良猫の真似をして、俺も一緒に睨んで置く。



五「ごめんごめん、僕が悪かった。…でも、身長が低い方が、浦田はかわ…。」



浦「よし、やまだ。今日から五条先生の飯に砂糖と唐辛子入れるぞ。」



や「きゅう!」



五「待って、ごめん。本当に僕が悪かったから、お昼の楽しみを奪わないで…!」



浦「分かれば良いんです。やまだ、唐辛子で許してやる事にしよう。」



五「ごめんって!!ほ、ほら!浦田が食べたがってた老舗のおかき!買って来たから皆んなで食べよ!」



浦「やったな、やまだ。」



や「きゅ〜!」



 湯呑みにお茶を淹れ、やまだ用の小さな手作り湯呑みにも冷ましてから入れる。
 持って来やまだに個包装を開けて渡し、俺が食べる為に一袋開けて食べる。



浦「あ、美味しい…。」



五「でしょでしょ〜?朝早くから並んだ甲斐があった。」



浦「いや、今朝は一年生の課外実習だったんだしょ。」



五「その間に買って来た。」



浦「はぁ…。」



 相変わらずの行動力に、俺は溜息を吐いてしまうが、五条先生はお構いなしに色々話す。



五「うらた、ちょっと明日一年頼んで良い?」



 五条先生は急にそんな事を言い始め、食べ掛けのおかきをやまだに上げて手を拭いて手帳とペンを持ち、今どんな事をして居るのか聞くと、本当に簡単に説明してどっか行った。



夜蛾「浦田、五条は…。」



浦「知りません。」



夜「…はぁ…。」



 あの人を止めれる人は、誰にも居ないだろうな、うん。

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作者名:ララ(ランタ) | 作成日時:2022年7月5日 15時

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