体当たり ページ38
うらた視点
結局俺は、見てる事しか出来ないらしい。
竈門炭治郎を担ぎ、猪の腕を掴んで離れて手当てする。
炭「君は…最終選別の時の…。」
う「うらただ、あんま喋んない方が良いぞ。」
どれだけ頑張っても、結局無力なのを痛感して、唇を噛み締めながら手を動かす。
坂「やまだ!」
隠れている筈のやまだの名を、坂田が絶叫する様に叫んで、ハッとして顔を上げて闘っている方を見ると、やまだが猗窩座に体当たりした瞬間だった。
煉獄さんに放った一撃が逸れて、煉獄さんの二、三本の指、刀が真っ二つに折れて空に飛んだ。
猗「チッ!」
や「ピギャッ!」
う「やまだ‼︎‼︎」
猗窩座がやまだを殴って、俺は手当てそっちのけで地面を蹴って、吹っ飛ぶやまだの背後に回り込んでキャッチした迄は良いが、猗窩座の攻撃が強過ぎて、一緒に吹っ飛んでしまう。
う「ガハッ…。」
背中を木にぶつけて、肺に入ってた空気が全て吐き出してしまい、息が詰まる。
う「…やま…だ…。」
や「……。」
いつもなら、「キュウ?」とかつぶらな瞳で見つめて来るのに、やまだはぐったりして動かなかった。
う「…そん…な…。」
体が震えるが、気付かないフリをしてやまだに触れると、息はしてたがぐったりして骨も折れて居た。
猗「うらた!何故弱い物を庇う!」
う「っ…煩い…、…やまだは家族なんだよ…。」
この時代に連れて来たのもコイツだし、そもそもやまだは、浦島坂田船の…俺の一部だ。
こんな所で死なせてたまるかってんだよ…。
やまだを地面に下ろして手当てしようと動くが、鉛のように重い身体は言う事を聞いてくれない。
坂「血の呼吸…。」
坂田の声が聞こえて顔を上げると、坂田が手首を刀で切って、朝日から逃げようとして煉獄さんに両腕を押さえ付けられて居る所だった。
坂「伍ノ型 血溜小池。」
猗「ガハッ…!」
坂田の血が動き、猗窩座を縛り上げる。
坂田の呼吸は、自らの血を使う量が増える毎に強大な力を使える。
その分、貧血で死に至る可能性もある。
猗「オオオオオオオオオオオ‼︎‼︎‼︎」
「「「「「っ!」」」」」
耳をつん裂くような猗窩座の叫びが聞こえて、耳を思わず塞ぐ。
…動かないと…。
もう、見てるだけは嫌なんだよ。
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ララ(ランタ)(プロフ) - ねこまる@Milkさん、コメントありがとうございます!!教えて下さりありがとうございます!!すみません!漫画が手元に無かったので確認するの忘れてました!直ぐに直します!!! (2021年10月23日 8時) (レス) id: 4bf2a8fa4e (このIDを非表示/違反報告)
ねこまる@Milk - 初コメ失礼します。煉獄さんの一人称って『俺』では……?? (2021年10月22日 21時) (レス) @page41 id: b6e29333b6 (このIDを非表示/違反報告)
ララ(ランタ)(プロフ) - nimoさん、コメントありがとうございます!本当だ!教えて下さりありがとうございます!素で間違いました!教えて下さりありがとうございます!今すぐ直します!教えて下さりありがとうございます! (2021年10月17日 14時) (レス) id: 4bf2a8fa4e (このIDを非表示/違反報告)
nimo(プロフ) - 初コメ失礼しますm(*_ _)m上弦の参は猗窩座だと思います。とても面白い作品なので更新楽しみにしています!頑張ってください! (2021年10月17日 13時) (レス) id: 8a23295520 (このIDを非表示/違反報告)
ララ(ランタ)(プロフ) - みらさん、コメントありがとうございます!教えてくれてありがとうございます!直ぐに訂正します! (2021年10月10日 17時) (レス) id: 4bf2a8fa4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ランタ | 作成日時:2021年9月28日 23時