四人の歌い手は鬼を狩る

花の呼吸 ページ22

有一郎は左手を、無一郎はショックで記憶を失ってしまった。



　二人から奪った鬼は嫌いだ。



　でも、鬼の親玉である鬼舞辻無惨に、望んでいないのに鬼になってしまった人も居る、とカナエさんが言っていた。



　助けてくれた双子から、色々奪って行った鬼は嫌いだ。



　でも、望まずに鬼になってしまった人は助けたい。



　有一郎には入らないで欲しい、と言われたが、自分の思いをハッキリ伝えて、有一郎が黙ったから、花の呼吸を使う胡蝶カナエさんの所に弟子入りした。




　…でも、詰んだ。



　考えるのやめたい…。




志「うらたん、遊びに来たで〜。」



坂「やっぱり此処、蝶が多いな〜。」



う「あ、二人共。今丁度休憩中。」




坂「うらさんの好きなやつ、持って来たで〜。」



う「マジ？サンキュー。」



　まーしーと坂田が竹垣の上に居て、二人が降りて来て着地して、坂田がお菓子を持って来てくれて、受け取る。



志「うらたん、修行はどうなん。」



う「…。」



坂「うらさん？」



　正直なところ、二週間前から詰んでいる。



　全集中の呼吸は出来る様になったけど、花の呼吸が地味に合っておらず、結局オリジナル呼吸を作ることになった。



志「うらたん、相談乗るで？」



坂「そうそう、うらさんにはいっつもお世話になっとったし。」



う「二人共…。」



　嬉しくて泣きそうになり、屋敷を見る。



う「今お茶を淹れてくる、此処に居てくれ。」



　まーしーと坂田を庭に残して、お茶を淹れに中に入る。



　…最近、涙腺緩くて本当に困る…。



う「…弱音ばっか、吐いてられないな。」



　…よし、もっと頑張るか。

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