四人の歌い手は鬼を狩る

やまだぬき ページ1

うらたぬき視点


う「よし、今日の配信終わりっと…。」



　東京の街にある、マンションの借りてる一室で独り言を呟いて、パソコンの電源を落として伸びをする。



　…ライブも終わったし、スマホで次歌うボカロ曲、考えようかな…。



　ベッドに寝転んで、YouTubeを開いてボカロを聴き漁る。



初音ミク『ーーーーーーー♪』



　やっぱり、ボカロって凄いよな…。



　心に寄り添ってくれると言うか、言葉では言い表す事の出来ない感情が溢れてくるって言うか…。



ｶﾞｼｬﾝｯ



「？…⁉︎」



　何かが割れる音がして、首を傾げながら起き上がり、音のした方を見ると、何か居た。



　つぶらな瞳、茶色い毛の耳、オレンジと茶色の中間ぐらいの毛、頭の葉っぱ。



？？？「きゅう？」



　間違いない、二次元の俺の分身(？)の肩に乗ってる“やまだぬき” 。



　現実に存在する筈の無いやまだぬきは、文字通り『窓を割って部屋に入って来た』。



や「きゅう？」



　いや、きゅう？って何。



　ツッコミたいけど、どこから突っ込めば良いのかわけ分かんねーよ。



や「きゅう(うらた！)」



う「喋れるのかよ‼︎」



や「きゅきゅ(脳に直接話しかけてるだけ…って、そんな事どうでも良い！)」



　いや、セルフツッコミしてないで、状況が理解出来てない俺に、ちゃんと一から全て説明して。



や「きゅ(いつまでも肩に乗ってるだけと思うなよ。)」



　このたぬきってめちゃくちゃ生意気、センラが嫌う理由も、今何となく分かった気がする。



や「きゅきゅ(今からお前は、大正時代に転生する。)」



う「…は？」



　首を傾げる間も無く、目の前が白い光に包まれた。



　配信後からわかった事。



　やまだぬきは物凄く生意気。

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