四人の歌い手は鬼を狩る

蝶の髪飾り ページ5

何か泥棒が出たらしく、荷物をそのまま盗まれてた。



う「誰も助けないんだな。」



ゆ「荷物をしっかり持ってなかったアイツが悪い、それより行くぞ。」



や「きゅぅ…。」



む「仕方ないよ、ちゃんと荷物持ってなかった方が悪いし。」



　双子がそう言って歩き始めて、荷物を取られた人に、俺が出来ることなんてない。



　だって、前世引きこもりだから(此処大事)。



　ステータスそのまま引き継がれてて、演技力以外大正で使えそうにないしな。



ﾄﾞｺﾞｯ



う「⁉︎」



　真横に男の人が飛んで来て、驚き過ぎて固まってると、転がってた商品を持って逃げようとしたからら取り敢えず着物の裾を踏み、全体重をかける。



泥棒「このクソガキが！」



や「キュイッ！」



泥棒「ギャアッ‼︎」



　やまだぬきが泥棒の手とか色々引っ掻き、泥棒は痛みに耐えれず情け無い声を上げた。



？「あらあら、可愛い子達ね。」



？「姉さん、先に泥棒をどうにかしますよ。」



　そんな声が聞こえて振り返ると、美人な人が二人いた。



　蝶の髪飾りを付けてる人と、髪を頭の後ろで高い位置で結んで居る二人。



　会話からして、二人は姉妹らしい。



　いや、そっくりだから何処から見ても姉妹か。



　足を退けて一歩下がると、妹さんが縛って警察？に引き渡してる。



　慣れてんな〜、そう言う系の仕事なのかな。



ゆ「うらた、行くぞ。」



う「え、あ…。」



　有一郎が腕を掴んで来て力任せに引っ張って来て、泥棒は捕まったしそのまま着いて行く。



ゆ「お前、何やってんだよ。」



う「飛んで来たから。」



や「キュイ。」



ゆ「良いか、街でああ言うのはザラにある。無視して自分の身を守れ。」



う「…分かった。」



や「キュウ…。」



　有一郎が心配してくれている、と言う事が分かり、嬉しくなると同時に、さっきの制服っぽいのが気になって、振り返ってさっきの場所をみると、泥棒が連れて行く所だった。



　蝶の髪飾りを付けてる人は、俺と目があって、優しく微笑んで手を振って来たが、振り返したら有一郎に怒られそうだから、そのまま



　…あの服、何か見た事あるんだよな…。



　…いつ見たんだっけ。

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