四人の歌い手は鬼を狩る

合格者 ページ18

志麻視点



　全員合格おめでとう。



　受験合格なら、塾とかの前に大きく貼り出される所だろう。



坂「やったな、まーしー。」



　坂田は嬉しそうに笑って、折れた刀を布で包んで居る。



　そんな事より、俺は気になる事がある。



志「坂田、お前、あの子に何かしたのか。」



坂「？誰。」



志「あの子。」



坂「？…、さっきあった子やな。」



志「ナンパしたん？」


坂「ちゃうねん、さっきの大回転斬りを使ったら、一緒に斬りそうになったんや。」



志「アウトだろ！何やってんだ！」




坂「当たらんかったきセーフセーフ。」



　坂田が言った瞬間直ぐにツッコむと、坂田は笑って誤魔化した。



？「カァー！」



　鴉が飛んで来て、頭に乗った。



志「何これ。」



　うらたんのやまだぬきを思い出していると、白黒の少女が説明していた。



　…まぁ、最悪後藤さんに聞くか。



　キョロキョロして後藤さんを探していると、説明が終わったらしく、石を貰って全員帰り始めた。



　やっぱ良いや、帰ったっぽいし。



志「…帰るか。」



坂「そうやな、腹減ったし。」



　坂田は100%話を聞いて無いから、石をもらってそのままのんびり帰る。



　…全然話を聞いて無かったけど、まぁ何とかなるだろ。




　まぁ、こんなグダグダな感じで、最終選別は終わった。



　まぁ、初めの一歩は踏み出せた、って事で良いんだよな。



　そんな事を考えながら、師匠達の居る場所に帰る。



　此処に来て、坂田が居るだけ良かったけど、浦島坂田船じゃ無くなった気がして、強がっては居たけど、正直寂しかった。



坂「まーしー、どうしたん？」



志「…何でもない。さっさと帰るか。」



坂「そうやな、走って帰るか。」



志「腹減ったって言ったじゃん。」



坂「師匠達にはよ報告したいやん。」



志「確かな。なら競争するか？」



坂「早かった方が、今度奢りな。」



志「望むところや。」



　…今は、寂しいとか、全然感じんな。



志「お先に失礼！」



坂「あぁっ！ずるいぞまーしー！」



志「とっくに競争は始まってんだよ！じゃーな！」



坂「待てコラッ‼︎」



志「待てと言われて誰が待つか！」



坂「この野郎！」




　まぁ、さっきの悩みなんて吹っ飛んで、坂田と追いかけっこを始めて、そのまま音屋敷に帰る。



　…まぁ、楽しむしかないか！

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