検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:50,660 hit

温かいおかゆ。 ページ46

.

私が台所であれこれしていると、謙也がひょっこり顔を出してきた。

謙也「俺がおかゆ作ったるわ」
A「え、謙也料理できるの…?」
謙也「当たり前やん!俺かてちょいちょいしよるわ中1やぞ!

ほれ、病人はソファに座っとき」

謙也は私の背中を押して、強引にソファに座らせた。
謙也に台所を任せるなんて、ちょっと失礼だけど
かなり不安だ。
絶対お湯をこぼしてやけどを

謙也「ぅ熱ッッ!!」

ほらね。

A「大丈夫〜?」
謙也「大丈夫大丈夫、やけどなんかしてへんでー」

絶対してる。

A「謙也、やっぱ私が」
謙也「アカン!男にはプライドっちゅーもんがあるんや!」

しまいには変な言い訳をしだした。
まぁここまで来たらもはや彼を止めることは出来まい。
私は本を読みながら気長に待つことにした。


謙也「あいよおまちっ!」
机の上にドン!とお碗が置かれた。

ごく普通の、どこにでもあるおかゆだった。
かつお節とワカメが混ぜ込んであって、ど真ん中に梅干が乗っていた。
ホカホカと湯気が立ち込み、すごく温かそうだった。

A「いただきます」

私がスプーンを手に取ると、ひょいっとそれを謙也に取られた。
謙也「フーフーしたる」

そう言ってスプーンの上におかゆを乗せ、フーフーと冷まし始めた。

謙也「ほれ口開け。あーん…」

私が口を開けるとなぜか謙也も一緒に口を開けた。
パクッと食べると、スプーンが熱くてやけどしそうだった。

謙也「どやっ?」
A「……60点」
謙也「60点か〜、やっぱお湯こぼしたんがアカンかったんかなーってなんでやねん!!
60点!?低すぎやろ!」

おぉ、これがノリツッコミ…!
いやいや、感心してる場合じゃない。

A「なんかね、少し水分が多いかな。あとかつお節が比較的多いから、ご飯そのものの味を殺しちゃってる感じがする
まぁ、料理って失敗ぐらい誰でもするよ最初は」
謙也「ふんふん、なるほどなぁ」

どこから取り出したのか。
謙也はメモをとっていた。
書き終わるとペンを1、2回まわした。

ところでさっきから気になっていたのだが、


A「…謙也、自分の分作ってないの?」


謙也「……あ。」
…なんだ、結局私が作るのか。

ーーーー

温かいおかゆ。2→←2人前



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
32人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 原哲也(ハラテツ)の小説も書いて欲しいです (2017年12月4日 22時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:光也 | 作成日時:2015年9月24日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。