子ども扱い ページ43
.
A「ちょっ、光太また出てる、もう…」
謙也「なんや脱走したんか」
A「そうそう、さっきも私の首の上に……」
おっと危ない。
また夢が思い出されるところだった。
平常心、平常心…
謙也「ちゅーか久しぶりやな光太ぁ」
そういって光太をわしゃわしゃと撫でまくった。
光太は目をつむってされるがままだった。
A「謙也暑いよね、ジュース何がいい?」
謙也「青汁ある?」
A「あるわけないでしょ…」
謙也「あ、青汁ないん…!?」
A「なんでそこでインスピレーションするの!?」
……今度からは青汁も買っておこうかな。
謙也「ほなら麦茶でええわ」
A「はいよー」
冷蔵庫を開け、麦茶を取り出した。
…昨日の事もあってか、妙に意識してしまう…。
人生にとってのファーストキスとは大人への階段の第一歩目。
なんなら昨日のうちに済ませておけばよかったな。
別にファーストキスが謙也でも、私は嬉しい。
謙也が好きだから。
台所から謙也を見てみると、クーラーの下で
全身に風を浴びていた。
「ヴェー涼し〜」と両手を広げていた。
コップに氷を入れて麦茶を注いだ。
麦茶を注ぐとパキッと氷が音を立てた。
ついでに何かないかなと、冷凍庫を開けてみた。
ちょうどアイスがあと2本あったのでそれも持っていった。
A「謙也ぁ、おまたせ〜」
謙也はクーラーの下で風を浴びていたのを中断して、こちらへ寄ってきた。
謙也「うおっ!アイスやん!」
まるで子どものように喜んだ。
アイスはバニラといちごの2種類があった。
謙也は麦茶をゴクゴクと飲んで、バニラ味をを袋から取り出した。
一口かじって、ガリガリと歯で噛んだ。
謙也「うんんま…!」
あっという間にアイスはなくなり、謙也はまた麦茶をゴクゴクと飲み干した。
A「そんなに暑かったの?」
謙也「おん、今日の練習熱中症で倒れる奴とか出てな?大変やってん」
謙也の額の汗は乾いていたが、まだ暑そうだった。
A「ごめん、大変な日に休んじゃったね私」
私がそう言うと謙也はまた私の頭を撫でた。
昨日みたいにぐしゃぐしゃじゃなくて、とても優しい撫で方だった。
A「もぉー、子ども扱いしないでよね」
謙也「おーおーすまんのぉ、ええ位置にAの頭があるさかい。」
ニヤニヤと笑って、また撫でた。
今度はわざとらしい、乱暴な撫で方だった。
.
32人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 原哲也(ハラテツ)の小説も書いて欲しいです (2017年12月4日 22時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:光也 | 作成日時:2015年9月24日 23時