そうする予定だった ページ36
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謙也「あーもー!ほんま暑いわー」
謙也はほうきをブンブン振り回しながら叫んだ。
図書室にはクーラーがついていた。
でもそのクーラーは職員室で入切されるので、先生の許可がないとクーラーはつかない。
肝心な先生も席を開けているようなので、許可を得ることも出来なかった。
なので、窓を全開にあけていた。
グラウンドには野球部が声を出しながらピッチングをしていた。
外ではとにかく、セミがうるさかった。
謙也「やかましいねんセミぃ!!」
言葉の通じないセミに向かって謙也はほうきを突きつけた。
それを馬鹿にするかのようにセミの声は大きくなった。
A「セミに馬鹿にされてんじゃん、謙也」
謙也「なっ…!俺ってセミ以下なんか…」
…朝も言ったとおり、今日の謙也はおかしい。
こちらをジーッと見つめて目を合わせようとしてくる。
私の髪の毛がボサボサだからか、と思い、昼休みきトイレの鏡で髪を整えた。
でも今日の髪はボサボサどころか、どちらかというといい感じに整っていた。
歯に青のりでもついてるからか、と思い、歯磨きを念入りにした。
でも、それでもないらしい。
一体何なのか、今日一日そればかり考えていた。
謙也「はぁー、暑い暑い」
そう吐き捨てると、また掃除が再開された。
今日の部活は休みなので、私は帰りに本屋さんにそろうと思っていた。
今日発売されるライトノベルと、シャーペンの芯を買いに行くためだ。ついでに商店街のお肉屋さんの隣にあるたい焼き屋で、あんのたくさん入ったたい焼きも買って帰ろう。
そして帰ったら光太にご飯をあげ、本を読み、久しぶりに家にある本の蔵書点検をしようと思っていた。
そうする予定だった。
謙也と目が合うまでは。
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ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 原哲也(ハラテツ)の小説も書いて欲しいです (2017年12月4日 22時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:光也 | 作成日時:2015年9月24日 23時