四天宝寺のコイ事情 (ページ26)

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呪い。２ページ26

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店外へ出ると、一気にむわっとした熱い空気が私の体をつつんだ。
商店街の通りには陽炎がゆらめいていた。

急いで周りを見てみると、ちょうど白いおデブウサギが走って逃げていく姿が確認できた。
おデブのせいか足が遅く、まだそう遠くへは行っていなかった。

と言っても相手は動物、あまり走るのが得意ではない私が追いかけても追いつける自身がなかった。

と、そこへ見覚えのある奴が商店街のど真ん中を歩いていた。
黒と黄色のラインが入った赤いＴシャツに真っ黒な半ズボン。
金髪よりの茶髪の少年だ。
おデブウサギはその子の真横をビューンと駆けて行った。

A「おーい！スピードスター！！そのおデブのウサギ捕まえてえぇ！！」

半袖半ズボンのその子は、私の甲高い叫び声とその「スピードスター」という名前に素早く反応して、自分を指さした。

謙也「えっ！俺！？俺かいな！！よっしゃあ、任せときやぁ！！」

と言いながら、元来た道を全力で戻り、ウサギを追っかけて行った。
相変わらず、恐ろしく速い足だった。

これならあのおデブウサギに追いつける、およそ店から120m先の本屋の前でとうとう捕まえた。

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