呪い。 ページ25
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夏。夏休み、ジリジリと太陽が照りつけるこの大阪で、私、紫野原Aは商店街に来ていた。
私の家の近くには小さな商店街があり、そこにはたこ焼き屋やお好み焼き屋、本屋などたくさんの店が並んでいた。
A(そう言えば新しくペットショップが出来たって忍足くんが言ってたっけ…)
忍足くんが言っていたことがふと思い出された。
私はいつも、この商店街を利用している。
特に手芸屋さんの隣にある本屋さんは常連で通っていた。
店員さんとも、最近は本を買うついでに世間話をするほどの仲になっていた。
私は本屋に行く前に、商店街に新しくできたらしいそのペット・ショップへ足を運んだ。
最近できたらしいので、お店自体は可愛らしく、レンガ式の建物だった。
店の外には看板がかけられてあり、『本日OPEN』と書いてあった。
店内に入ると中はとても涼しく、犬や猫など、たくさんの動物が檻に入っていた。鳴き声が混ざりあって、動物特有の独特な匂いが充満していた。
A「うわぁ、いっぱいいるなぁ」
私は檻に入っている動物たちを一匹ずつ見て回った。
A「お父さんダメって言うかな…お母さんはたぶんいいと思うけど…」
私の住んでいるマンションは、ペット飼いの許可がOKだった。だから最近、ペットが欲しいなと思っていた。家に帰っても誰もいないから。
私はなんとなく、うさぎのコーナーへ行ってみた。
A「わ、このウサギおデブだなぁ、こんなモフモフして…」
白い1匹のウサギ。他にもたくさんウサギはいたがこのウサギだけ一際大きい檻に入れられていた。
なぜかは分からないが、ジッと目に止まってしまったのだ。
鞄を置いて、そのウサギをしばらく見つめていると、女性の若い店員さんが話しかけてくれた。
店員「いらっしゃいませお客様、触ってみますか?」
店員さんは茶色い髪の毛を一つに束ね、リスみたいな可愛らしい笑顔で私の顔を覗き込んだ。
A「え、いいんですか?」
店員「はい、どうぞ思いっきり触ってあげて下さ…」
店員さんがウサギを触らせてあげようと、檻をあけた瞬間だった。そのおデブなウサギはお店の外へ、マッハで逃げていってしまった。
店員「……………。」
店員さんは口は半開きで、沈黙状態だった。
ほんと、一瞬の出来事過ぎて何がなんだか分からなくなった。
A「……………って!捕まえなきゃ…!」
私は勢いよく店外へ飛び出した。
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ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 原哲也(ハラテツ)の小説も書いて欲しいです (2017年12月4日 22時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:光也 | 作成日時:2015年9月24日 23時