パイ ページ24
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先生「んじゃあここ、復習しとけなー」
謙也「あー終わった終わった!次で飯やでA」
A「あ……ぁ、うん…」
謙也「ちょっ、どないしてん!?今日おまん誕生日やろなにしけとんねん」
恵は今、私の家でお留守番をしてもらっている。
今朝のこともあったから、私の心はまだ絶望している。
ところでさっきの授業はヤバかった、危なかった。
せっかく胸に体勢が取れていていたのにさっきの数学の授業に、
円周率、つまり π が出てきた。
もう『パイ』とか聞いただけで今朝のあのマヌケな顔のキャラクターがフラッシュバックしてくる…。
憎い。
円周率が憎い。
憎い…憎い憎い…!
謙也「そない怖い顔すんなや、なっ?誕生日やし!ほれ!ハーッピバースデートゥー…」
A「忍足くんってさ、お○ぱいとちっぱい、どっちが好き?」
忍足くんの歌が途切れた。
たった今手を叩きながら誕生日ソングを歌っていたのに、ピタリと止んだ。
あまり沈黙はなく、
謙也「んなもん、お○ぱいに決まっとるやろ。もうボインボインの」
忍足くんは即答だった。
心とプライドがブチッと音を立ててちぎれた。
まぁ、男の子ってそんなもんだよ、と自分を励ましてはみるものの、全然心に響いてこなかった。
A「あはは、だよねぇ〜」
とびっきりの笑顔で言った。
よし、帰ったらアイツ追い出そう。
結局、今年の誕生日は私にとって辛い日となった。
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ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 原哲也(ハラテツ)の小説も書いて欲しいです (2017年12月4日 22時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:光也 | 作成日時:2015年9月24日 23時