推しに懐かれたい 【孤爪研磨】

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「アップルパイ食べたい」



急に来た研磨くんからの連絡。
送る人間違ってない？と思ってた。


『研磨くん、これ私だよ？』

「知ってる」

知っててなんで送ってくる？

『え、じゃあなんで』

「俺、アップルパイ好きだから」

『つまり、作ってこいと』

「うん」


これがつい先日の私と研磨くんのトーク内容。



で、今日。昼休み屋上で研磨くんにアップルパイを渡すことになってます。





推しこと、研磨くんは案外トークの中では現実以上に喋ってくれる。と言っても毎日連絡する訳でもないけどね。





『あ、いたいた研磨くん』

「Aさん」

『はいコレ。例のもの』

「例のものって。アップルパイでしょ」






あ。笑った。研磨くんが笑った。光り輝いてる。
眩しい。



「え、どうしたの」

『研磨くんも笑うんだね』

「俺をなんだと思ってるの」

『天使』

「…」

『アップルパイね、初めて作ったから不味かったら捨てていいからね。一応味見したんだけど』


パクパクと効果音付きで食べ始める研磨くん




「 美味しいと思う」



てっきり家で食べてくれると思ってたから今食べてくれるとは思わなかった。しかも美味しいって言ってくれた。嬉しい



『ありがとう』









その日を境に研磨くんからの連絡はアップルパイ作ってくれという業務連絡が度々来るようになった。

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