やつがれくんvsJK。【文スト】【芥川龍之介】

悪戯が18回 ページ20

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「うずまき行くとは行ったけど、やっぱり大福食べたいから治くんに着いてくよ」

「え」



太宰、現在_________無一文。




財布は川に流した。




「わ、私が君の家に配達しておくよ？」


「そうじゃなくて…治くんと一緒に大福食べたいんだよね。


治くんにも食べて欲しい大福とか、沢山あるし…って大丈夫治くん」


太宰は天を仰いだ。たまに彼は純粋な気持ちをぶつけてくる。それがダイレクトに刺さるのだ。


「…………少々時間をくれるかな、実は今財布を忘れた事に気がついたんだよ。財布を(川から)取ってくるから待っていてくれないかな」

「うん、待つよ。治くんが今日の朝財布を無くしたとしたら…ここからもうちょっと下流の方に財布はありそうだね」

「そうだね、計算したらそれくらい…って何故私が財布を忘れたんじゃなく無くしたと…？」

「んー、当てずっぽうだよ」


太宰が驚き、目を見開いた。甘栗色のふわふわっとした髪。左の方の前髪を雑にピンで止めている。服も全体的に着崩している。その彼が、余裕そうに微笑みを浮かべた。

この男、ここもまた太宰に似てそこそこ頭がいい。とは言っても良いのは"洞察力"と"考察力"のみ。人を見て、何の職業かなあ程度は当てられる。問題を出されて、どう思うかと聞かれたら考察がとんでもない量で出てくる。




彼もまた、ミステリアスな男である。

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