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｢しんどい｣
よくよく考えてみれば、
この世界の人々って移動手段は基本徒歩なのだ。
それに農作業とかに勤しんでるし。
そりゃみんな筋肉あるし体力あるし。
……この山が一日で登れて降りれて、
しかも京都まで着くわけですよ。
とっくに真上まで昇った太陽が恨めしい。
まだ山の頂上も来てないというのに、
本当に、ほんとうにしんどい。
そして昔の人は水分補給が少ないと言うけれど。
……貰った竹筒の水が尽きそう。
いやいやいや。
250ミリペットボトル分もないよね多分これ？？
こんな細っこいのの中をくり抜いて、
水入れてるんだもんなぁ……
昔の人はよく考えるよ……
いやいやじゃなくて。
別にそんなに暑くはないけど、
脱水症状で死んじゃう。
ついさっき死んだのにまた死んじゃう。
いやいやいや。
現代日本人をなめすぎ。
神様も神様だよね！！？
こういう形で転生させるなら
こうなんというかさ、お助けアイテム……
｢みたいな……？？？｣
そういえば下がる瞼のなか、
なにか言われた気がする。
『事象を拒絶する 結界』
ただし1枚しか出せないからね！
ふわんふわんとわざわざ脳内に登場してくれた。
そんなことが出来るのなら、
もっと何か違う解決法をとって欲しい。
『事象の拒絶……』
BLEACHの織姫ちゃんみたいな？
BLEACHは昔1度だけ読んだ。
正確には
親戚のお兄さんが読んでいたのを、
横から盗み見た。
……しかし。
あの子のあれは、
なんか小さい……こう、小人……？妖精？
みたいなのが居て、その子たちの組み合わせで
技が変わる、みたいな……みたいな。
｢や、まてよ。
事象の拒絶ってことはつまり、
根本は変わらないってことで｣
どうやったら出るんだ、
と思いながら
私は四角い箱をイメージしながら念じる。
こんな形で……出てくださいお願いします。
うっすらと目を開くと、
赤みがかった綺麗な箱が宙に浮いていた。
箱の境界の内部から外部を 拒絶 した。ので。
私はそっとその上に小石を落とす。
バヂィ！！！！
｢う、わぁぁ！！｣
電流の音のようなものが聞こえた途端、
石ころはバラバラになって飛んで行った。
｢殺傷能力高くね？｣
思っていたよりも強力だった。
こうなんか、
侵入を阻止……くらいだと思って使ったので、
身体にも礫が当たって痛い。
『と、なると』
次はあそこね。
格好つけてび、と木の幹に向けて指で線を引く。
ビギ！と音がして、木は根元から倒れた。
続く
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作者名：れれれのおじさま | 作成日時：2020年10月12日 0時
