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もしかして
最悪な時期に転生させられたんじゃないだろうか。
前世の行いが悪かっただろうか。
いや実際いい子ちゃんぶってただけで
別に誰にも迷惑はかけてないはず。
自分のことは基本なるようになる思考だけど、
他人が関わることに関しては
全力で責任逃れしてたし。
教師の覚えもいい本当にいい子ちゃんだよ私は。
提出物は出さなかったけど。
「それにしてもあんた旅のものだろう。
この辺りじゃ見ない顔だよ。
……なんだってこんなに奥地にねぇ。
それこそ話題の横浜にでも出る気かい？」
「……え？あ、いえ。
その……途中で地図を紛失しまして。
なるようになれと歩いてきたのですが。
ここは地名的には一体……」
「あれまぁドジな子だね！！
……ここは……
そうだね、大まかに言うと一応京の一角だよ。
……本当に僻地だけれども……
京に行きたければ一日歩けば着くはずだよ。」
地図でも買って、
もう一度
旅支度を整えるのもいいんじゃないかい？
おばあさんはそう言って微笑んだ。
「いくら男だと言ってもねぇ。
このご時世一人旅は危ないししんどいだろう。
……京都も危ないってんだから
あんまり薦めたくはないけどね。
地図なしってんじゃ
京に出るのがいちばん近いしねぇ。」
「……………………？」
苦笑いである。
言っておくが私、
運動部所属とは言えども性別は女である。
生物学上も立派なメス。
別に女らしさのある体でもないが、
これは普通に傷ついた。辛い。
しかし。
言われてみれば
江戸時代的には
男らしい服装になっている。のかも。
つまるところ、
あの神様が
転生させるときにこの服にしたということで。
それはきっと、こうなんだ、
何かこう意味があるんだよね？あるよな？
……間違えちゃった！とかだったら本当に辛い。
……まぁ別に、
今更騒いでもどうしようもないので
もう気にしないことにしよう。
それにしても京都か。
この時代は佐幕だの倒幕だの色々あったはずで。
天皇様のいらっしゃる京都は、
血で血を洗う薩長VS幕臣対戦！
みたいな感じだった気がする。
うん普通に殺されるね。
かと言ってずっとここにもいられないし、
手荷物も風呂敷一個。
それこそどこかに行くにしても、
一旦は京都に行かなきゃならない、かぁ。
「……とりあえず京都行きます」
「そうかいそうかい。
あの山を超えたらすぐだからね。
まぁ、今日は遅いし泊まっていくといいよ。
その代わり、少しは働いてもらうけどね？」
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作者名：れれれのおじさま | 作成日時：2020年10月12日 0時
