風 ページ29
.
「A！！」
知らせを聞いて走って来れば腕には小さい子供を抱えていて
『女の子だって』
微笑む彼女を抱きしめた
こんなに小さい体で細いのに頑張ってくれた彼女に
柄にもなく泣きたくなった
「ありがとなァ」
『うんっ』
周りが気を使ってくれたのか、いつの間にか2人だけになっていた
『名前なんだけどさ』
「あァ」
『風花』
「いいじゃねェか」
風の呼吸を使う風柱だった実弥
そんな彼と想いが通じあったのはイベリアが咲き誇る花畑だった
『風花、不死川家にようこそ』
嬉しそうに笑う彼女の頭を撫でた
____
______
_________
それから3年後
風花は3歳になった
お喋りも随分と達者になり今では海外からくる絵本にハマっている
「まあま、これ読んでっ」
『いいよ〜っ』
膝の上に抱き上げて話しを読んでいれば
『おばあちゃんのお口はどうしてそんなに大きいの？』
「たくさん笑うためっ」
手を挙げながら答える風花に少し驚かそうと
『ふうちゃんを一口でぱくりと食べるためさぁ』
声を低くして言えば、ひえっと小さく言い腕の中から抜けた
ﾄﾞﾝ
音がしてドアの近くを見れば実弥が立っていて
「ふぅどうしたァ」
「ぱっぱぱあ」
足に抱きついて半泣きの風花
『ごめんね、ちょっと怖がらせすぎちゃった…』
風花を抱き上げている彼を見て言えば
「ふぅ、大丈夫だァ」
「ふぇ」
「悪いオオカミさんにはこうだァ！！」
そのままこっちに走ってきて3人で畳に倒れ込んだ
『っっちょ！？』
実弥と風花に覆い被された状態で片手でほっぺを掴まれれば
「ふぅに悪いことしたらお仕置だァ」
「おしおき！」
実弥に抱えられきゃっきゃ騒いでいる風花は
いつの間にか泣き止んでご機嫌になっていて
『ご、ごめんなひゃい』
「よし、ふぅおはぎ食べるぞォ」
「持ってくるぅ！」
走っていってしまった後ろ姿を見届けて目を合わせれば
『お仕置ってなんですか…』
「っんと、おまえはなァ」
上目遣いでちょっと誘えばそのまま唇が近づいてきた
少しの間 絡み合い離れれば
『へへへ』
ぐしゃぐしゃに頭を撫でられる
照れ隠しなのか、それでも耳が赤いのは隠せていなかった
「あー！！ ふぅもやってやって！」
ちゃんとおはぎを持ってこれた風花にも
「よくできましたァ」
と頭を撫でる彼は父親の顔をしていた
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 446人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
坐那(プロフ) - 勒城さん» コメントありがとうございます!! そう言っていただけると嬉しくて滝涙でます( ; ; )これからもよろしくお願いいたします (2020年12月28日 18時) (
レス) id: 34a2c94a5f (このIDを非表示/違反報告)
坐那(プロフ) - (._.)さん» コメントありがとうございます。同じ考えの方もいて安心しました( ; ; ) プラスの意味もあるかもしれないのでそう思って頑張ります!! また覗きに来てください (2020年12月28日 18時) (レス) id: 34a2c94a5f (このIDを非表示/違反報告)
坐那(プロフ) - 特撮大好きGirlさん» ありがとうございます( ; ; ) これからもそう言っていただけるように頑張ります!! (2020年12月28日 18時) (レス) id: 34a2c94a5f (このIDを非表示/違反報告)
坐那(プロフ) - やる気スイッチ万年破損さん» メッセージありがとうございます!! プラスの意味もありますよね、1話だけならそう思った方が合ってる気がしました。少しずつ始めたいと思いますのでよければ覗きに来てください( .. ) (2020年12月28日 18時) (レス) id: 34a2c94a5f (このIDを非表示/違反報告)
坐那(プロフ) - 胡桃さん» コメントありがとうございます。なるほどマイナスな意味ではなくプラスな意味もあるかもしれませんね勉強になります( .. ; )評価もメッセージまで胡桃さんの暖かさ嬉しいです( ; ; ) (2020年12月28日 18時) (レス) id: 34a2c94a5f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瑛茉 | 作成日時：2020年12月27日 2時
