【REBORN】変人？とんでもない、煽るのが好きなだけ。4 (ページ7)

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賭け事なんて、私困っちゃうな。ページ7

「昨日は雷の勝負だったっけ？」

「そーだよ」

軟禁生活2日目。早くもこの生活に慣れ始めた。つくづく私の適応力は凄まじいと思う。

長椅子に腰掛けながら呟いた私の問い掛けに、前髪さんは即答してみせた。

「レヴィと牛柄君かー。どっちが勝ったの？」

「レヴィ」

「......ですよねえ」

牛柄君完璧に子供だし。5歳児ぐらいだったし。

「途中であの牛みたいな奴が大人になったりとかしてたけど、流石にあいつも子供に負けるほど落ちぶれてはないでしょ」

予想はしてたけど、此処で敗けちゃうと後が怖いな。私やツナ達の保身の為にも。

「そう言えば、大空の奴のリングも奪われてたなー」

「......！」

ツナのリングまで！一体どうして？その疑問が伝わったのか前髪さんが。

「何かーフィールドに上がってバトルに干渉しちゃったからだってさ」

「そうなんだ......」

一体何があったんだろう。しかしそれ以上聞く理由が私には無かった。

......そう言えば何処かでヤンデレを鎮めるにはこちらも同様に愛せばいいとか耳にした。

確かに前髪さんは顔面偏差値が無駄に高いし、お金持ちだし、女の子なら誰しも憧れる優良物件だろう。

しかし職業に難有り。生憎私には殺人鬼を愛するほど選択肢が限られている訳ではない。しかもヤンデレときた。あ、本末転倒か......。

それに私はまだ恋愛とか何とかを謳歌する気は毛頭無い。煽る事に生涯を捧げているからである。うん、さすが私。

「なーA」

「んー？」

「もしこの戦いでヴァリアーが勝ったらさぁ、入隊してよ」

「やだ」

即答。こんなにバッサリとしたら不味かったかなと前髪さんに一瞥を投げるが、「えー」とふてくされているだけだったのでひとまず安心。

「あ、じゃあさ」

「うん」

「もし勝ったら、俺の姫になってよ」

「......」

姫。ひめ。ヒメ......。

私の耳は可笑しくなったのだろうか。えー......まさか前髪さんの頭が此処までメルヘンチックだっただなんて。

「あはは、そんな告白みたいなーやめなよー。賭け事なんて、私困っちゃうな」

「なって」

「......」

ずいっと顔を近付けられる。前髪で見えない瞳が一瞬見えたような気がした。

____あ、これ本気だ。

この要求を呑めば負けた時危ないな。でも断るとこの後が怖そうだし......。

ええい、ままよ！

「分かった、」

一瞬前髪さんの顔が輝いた。

しかし。

「その代わり、ツナ達が勝ったら______

______私を諦めて」