【REBORN】変人？とんでもない、煽るのが好きなだけ。4 (ページ3)

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......寝たフリしてたからって怒ることなくない？ページ3

飛び起きた拍子なのか、肩口にピリッとした痛みが走る。前髪さんが肩に当てたナイフが動いた拍子に当たったようだ。

前髪さんはナイフを離して即座に私から距離を取ると、「ししっ」と笑い声を響かせる。

地味に切り傷になっている肩を押さえて「っつ～」と声を漏らしながらとりあえずベッドから降りた。

「前髪さん......」

「何～？」

「......寝たフリしてたからって怒ることなくない？ましてや切ろうとするなんて。考えが怖いよ。暇なら起こしてくれれば良かったのにさ」

軽く溜息を吐きながら「何する？」と声を掛けると、前髪さんは一瞬唖然としていたがすぐにパッと表情を変えた。

「じゃあ投げナイフで」

「私出来ないんだけど。あと2時までには寝るから、分かった？」

「しししっ、分かってる分かってる」

......よし、何とか危険回避。

何となく察したが、前髪さん思考が危ない事になってきてるな。絶対あれは右腕持ってこうとしてた。確信を持って。

私が思うに、これは巷で噂の"ヤンデレ"と言うものではないだろうか。ただ単に前髪さんが私を嫌いなだけかもしれないが、それなら執拗に入隊を迫ったりしないだろう。

しかしもし"ヤンデレ"だったとして、前髪さんにどう言う感情の変化があってそうなってしまったのだろうか。

......とにかく今は生きて弟の元へ帰る方法だけ考えるか。そうしよう。

「ねぇナイフ地味に重くない？こんなの投げられるの？」

「楽勝だよ、ほら振りかぶって投げてみ」

私が投げたナイフは、投げてすぐに床に落下した。......重力には勝てないのだ。

「......前髪さん、ナイフ投げのコツを」

「まずこうやって持って、あんまり力入れずに投げるといいんだぜ」

全て言う前にシュッと投げて見せてくれた前髪さんの顔は心なしか生き生きしていた。

......拝啓、お父様、お母様、綱吉様。私はどうやら病んでる殺し屋に目を付けられた様です。早く暖かいお家に帰りたいです。切実に。

その日、眠りについたのは3時だった。

・

「また来たのかパイナッポー」

「喧嘩売ってるんですか？ ......いつになく不機嫌じゃないですか、何をそんなに不貞腐れてるんです」

二度目の精神世界。そしてお約束とでも言うように現れた青パイナップル。頼む、私を寝かせてください。

水で浸っている地面に体育座りしている私の隣にゆっくり腰掛けた骸は、呆れた顔でこちらを見て私が話すのを待つ。

はいはい、話せばいいんでしょ。

重い溜息を吐いた。