【REBORN】変人？とんでもない、煽るのが好きなだけ。4 (ページ12)

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放し飼いでも大丈夫だと判断したのかな？んー？ページ12

ぼんやりとしていた意識が、揺さぶられる事により覚醒する。

強制的に精神世界から帰還させられた私は、その肩を揺すっている存在を寝惚け眼で見つめた。

「……前髪さん？」

「おはようA！」

……まだ外は暗い。時計を見れば10時半を指し示していた。私が眠りについてから、1時間半しか経っていない。

軽く目を擦りながら起き上がり、「何か用……？」と問い掛ければ、何処か嬉しそうな笑みを浮かべた前髪さんは言った。

「今夜はオレのバトルだよ、A。一緒に行こう」

「……あ、出してくれるんだ」

「Aにも見てもらわないとだろ？王子のカッコいいとこ！」

勝つこと前提なのか。よほどの自信があると見える。確か前髪さんは嵐の守護者で、ツナの方は……獄寺かな。

大丈夫だろうか、獄寺。応援は勿論しているし信頼もしているが、この王子相手だと心配になってくる。

何事も無ければ良いのだが。

前髪さんに「ちょっと待って」と告げると、ベッドから降りて服装を正す。わざわざ着替える事はしない。この王子のことだ、絶対居座るはず。

さて、準備を終えると前髪さんは私へ向けて手招きしていて、近付けば私の手をぐいっと引いて部屋の外へと出る。

2日ぶりの照明の眩さに数回目を瞬かせつつも、まるでリードに繋がれた犬のように前髪さんに腕を引っ張られながら、後に他の幹部の皆と合流しホテルを出た。

他の幹部の人は私の現状を見て何故か何も言わなかった。もしかすると特に異常はないと思っているのかもしれない。

助けて！私軟禁されてるんですー！なんてよもや張本人の前で言える筈も無く。

何だかんだで並中まで向かう事となった。

・

並中の廊下で待機を続けること数分程度。

もう開始時間である11時が寸前まで迫っている中、まだ対戦相手である獄寺は姿を現していなかった。

「逃げてどーすんだか？どーせ殺されんのに」

呟く前髪さんは、今は私の手を繋いでいない。かと言って私の腕に何かロープが巻き付いている訳でもない。

……放し飼いでも大丈夫だと判断したのかな？んー？

隙を見て逃げるぞ、私は。宣言しても恐らく無理なのだろうが。

「あの時計の針が11時を指した時点で獄寺隼人を失格とし、ベルフェゴールの不戦勝とします」

そう呟くチェルベッロ。もう時計の針は11時を指そうとしていて。

11時まであと1分。

あと30秒。

あと10秒。

5秒。

1秒________

________ドガァン！

突如として辺りに爆発音が響き渡った。