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さんびゃくに!! ページ7

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それから暫くして、

ようやく意識がハッキリしてきた谷川さんは
顔を真っ青にして立ち上がった。


少し汚れてしまったブレザーも払わず走り出そうとする。




のを、三橋さんが足で引っ掻けて転ばせた。



「もっと他の止め方がありますよね……」

谷川「なにすんだよッッ!!」

三橋「お前は弱いんだから一人で突っ込もうとすんなよ」

谷川「……っ今は金がないからテメェは手伝う気ねぇだろ」




憎々しく三橋さんを睨み付ける谷川さん。


すぐにお兄ちゃんがその場を和ませるように
肩をぽんっと叩いた。





伊藤「俺は手伝うぜ。つーか手伝わせてくれ」

谷川「伊藤……!」

「私も手伝います」

三橋「は?お前が手伝ったところで
なんも出来ねぇだろ」

「なら三橋さんも巻き込まれてください。
そういう約束でしょ?」

三橋「……生意気」

「元々です」

谷川「ほ、本当に良いのか?
何も持ってないぞ俺……」

三橋「仕方ないから後払いで許してやる」




素直じゃないなぁこの人……。




谷川さんは何度も頭を下げて、
「ありがとう!」と言ってくれた。




とは言っても手懸かりがない。


谷川さんも意識が無くなる前までは一緒だったから
どこではぐれたのか分からないみたいで。




伊藤「とにかく聞いて回るしかねぇか」

谷川「近くに大型の黒い車があったのは覚えてるけど……」

三橋「俺は佐川のとこもう一回聞きに行く。
A、行くぞ」

「、はい」





そうして私たちは二手に別れて
今井さんを探すことになった。


三橋さんと私は佐川さんと電話で待ち合わせを決め、
駅から離れた公園に向かう。





「でもなんで今井さんだけ連れてかれちゃったんですかね……」

三橋「あんな馬鹿連れてって、痛い目にでも合いたいんじゃねぇの」

「……今井さん、無事ですよね」

三橋「アイツはそう簡単にやられる奴じゃねぇよ」

「……はい」





ほどなくして、佐川さんが公園に入ってきた。


どこか慌ててるみたい。




佐川「Aさん!黒いスーツにサングラスの男が入っていくビルを見つけちゃいました!!」

「えぇ?!」

三橋「どこだそれ!!」

佐川「ちょっとややこしい道にあるんで、案内します!!」




お兄ちゃんたちに知らせるのは後になるだろう。



私は二人に続いて、公園を飛び出した。









……頭の隅で何かに違和感を感じてたのを


その時だけは知らないフリをして。









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さんびゃくさん!!→←さんびゃくいち!!



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いちご - もうあと少しでお別れなんですね…もっと見たいですっ!完結した後でも何度も読み返しますね!!最後まで頑張ってください! (2019年1月23日 0時) (レス) id: 38e4f6d3da (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - なのなのさん» そーだよね……直してくるっ (2019年1月20日 23時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
なのなの - 紫雨さん» でも、字幕入れたら「理子ちゃん」だったと思うよ?私は統一した方が良いと思う…。急に変わったら違和感あるしね(笑) (2019年1月20日 23時) (レス) id: 544df7dfb5 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - なのなのさん» 正直理子ちゃんの文字迷ってるんだよね…小さいことなんだけど、漫画だと「リコちゃん」って呼んでてさぁ…ドラマどっちかわからないけど、ずーっと「理子ちゃん」できたからどーしよーって…笑笑 (2019年1月20日 19時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
なのなの - ごめん、341だった…!間違えちゃった、ごめんね。 (2019年1月20日 16時) (レス) id: 544df7dfb5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神室紫雨 | 作成日時:2019年1月4日 20時

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