さんびゃくよんじゅうに！！ ページ48
.
結局そのあと、お兄ちゃんも三橋さんも
教室に戻ってくることはなかった。
放課後に昇降口で待ってたら
珍しく何やら話し込みながら歩いてくる。
「昼休み怒られてたの?」
伊藤「え? あー、うん、まぁ」
三橋「あ、A。俺これからバイト探すから」
「えっ??」
三橋「だからあんま帰れなくなる」
「え、待ってください。どうして急に??」
三橋「金が欲しいんだよ」
そんなのいつものことじゃないか。
わざわざ働いてお金を集めようとするなんて……。
まさか、椋木先生に変なこと教え込まれたとか??
三橋「今日はこのまま伊藤とバイト探しして帰るから、オメーは一人で帰っとけヨ」
「お兄ちゃんもバイトするの?!」
伊藤「うん。なんか、社会勉強したくて」
「ツッパリの台詞じゃないよね……」
三橋「うるせーさっさと帰ってクッキーでも焼いと」
香取「Aさぁぁんｯｯ!!」
ドドドーッという走ってくる音と元気な声。
もうずいぶん慣れてしまったなぁ。
私はタックルされる前にサッと避けると
目の前を香取くんがヘッドスライディングしながら
通過していく。
伊藤「校内に入ってくるなよ香取……」
香取「あ、義理兄さんどうも」
伊藤「誰が義理兄さんだよゴラ」
顔面をコンクリートで擦りむいたのに
まったく痛がらない香取くん。
心も体も鉄メンタル。
香取「Aさん、一緒に帰りませんかっ??」
「あー……」
その時、ちらり、と心のなかで私の悪魔が顔を出した。
……ここでオッケーしたら、三橋さん、
どんな反応するかな。
私はわざとらしく香取くんの方を向いて
三橋さんに背を向けた。
「いいよ。喫茶店でも寄る?」
香取「いよっしゃァァァｯｯ!!」
「丁度一人で帰ることになって暇だったんだよね」
さあ……どう来るよ。
しかし。
三橋「ほんじゃーな」
「エッ」
伊藤「香取、Aに手ぇ出したら首捻る」
香取「きちんと家まで送ります!!」
「え、いやいや、待って待って」
三橋「なんだよ」
「……ぃ、良いんですか??」
三橋「なにがだよ」
三橋さんは鬱陶しそうに横目で私を睨む。
これは……怒ってるわけでも拗ねてるわけでもない。
……本気で何とも思ってない??
香取「じゃぁいきましょうか!!」
「……ストロベリーパフェ」
香取「ご馳走します!!」
……やけ食いしてやる。
.
さんびゃくよんじゅうさん！！→←さんびゃくよんじゅういち！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 812人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちご - もうあと少しでお別れなんですね…もっと見たいですっ！完結した後でも何度も読み返しますね！！最後まで頑張ってください！ (2019年1月23日 0時) (
レス) id: 38e4f6d3da (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - なのなのさん» そーだよね……直してくるっ (2019年1月20日 23時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
なのなの - 紫雨さん» でも、字幕入れたら「理子ちゃん」だったと思うよ？私は統一した方が良いと思う…。急に変わったら違和感あるしね(笑) (2019年1月20日 23時) (レス) id: 544df7dfb5 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - なのなのさん» 正直理子ちゃんの文字迷ってるんだよね…小さいことなんだけど、漫画だと「リコちゃん」って呼んでてさぁ…ドラマどっちかわからないけど、ずーっと「理子ちゃん」できたからどーしよーって…笑笑 (2019年1月20日 19時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
なのなの - ごめん、341だった…！間違えちゃった、ごめんね。 (2019年1月20日 16時) (レス) id: 544df7dfb5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神室紫雨
| 作成日時：2019年1月4日 20時
