伊藤の妹は三橋にゾッコン。Part7【今日から俺は!!】

さんびゃくさんじゅうなな！！ ページ43

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三橋「おいA」





三橋さんが退院してから、

初めての下校中。



不意に名前を呼ばれて付いていくと、
旅行代理店の前にやって来た。






三橋「お前って海外好き?」

「え……なんですか唐突に」

三橋「なんとなく。いいから答えろよ」





なんとなく、というわりにはすごくガン見してくるので

なにか理由でもあるのかもしれない。


適当に答えたらあとで痛い目見そうだ。







「えーと……海外は怖いからあんまり」

三橋「じゃぁ国内?」

「国内……ですね。旅行の話ですか?」

三橋「ちげーよばーか。お前と旅行なんて誰がいくか」






顔を赤らめつつ、そっぽを向く三橋さん。


何に照れてるかわからないけど、
代理店の前で「旅行なんて行かない」と
言い切るのはさすがに良くないと思う。









それにしても、残暑というかなんというか。



季節は秋に入ったはずなのに、

歩くとじんわり汗が出てきてしまう天気。




商店街は上に天井があるものの、

たいして気温差はなく。








「……にしてもあっついですねぇ」

三橋「おー……アイス奢れ」

「いうと思いましたよ。嫌ですけど」

三橋「ケッ、兄妹揃ってケチなんだな」

「兄妹にたかってる人に言われたくないです」

三橋「だー……くそ、やっぱアイス買うぞ。食ってないとやってられん」









大きな背中がフラフラとスーパーの中へ入っていく。



太陽に反射した金髪がキラキラと眩しい。









私も避暑地へ逃げよう……と、足を進めたその時だった。









?「A?」


「え……」









おっとりとした女の人の声。


まさかそこに、あの人がいるなんて思わなくて
かなり間抜け面で振り返ってしまった。





年よりも遥かに若く見える綺麗な顔。


落ち着いた服装と、遠慮がちに上げられた手。









「お母さん……っ!!」


母「Aっ!!」









思わず周りも気にしないで抱きついてしまった。


いつぶりだろう。



今年のお正月は帰ってこれなかったし、去年以来だ。








母「元気にしてた?」

「うん!お母さんこそ珍しいね、連絡なく帰ってくるなんて……」

母「ふふ、Aと真司に会いたくなったの」





そのとき、なかなか来ない私を探したのか
スーパーから顔を出した三橋さんが

「なにごと??」と呟いた。









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伊藤美代

・伊藤兄妹の母
・おっとりしてる


※原作知らないです(涙)

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