さんびゃくさんじゅうろく！！ ページ41
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あの、事件の日。
消防車と警察が来たとき、
紅野さんが私のほうに手を差し出してきた。
紅野「それ、貸しな」
「あ……」
スカートのポケット。
いつもはボイスレコーダーを入れているけど、
今日は黒くて重い塊が入っている。
紅野「警察に見つかったら厄介でしょ。
俺が適当に嘘ついて誤魔化しておくから」
「え、でも……」
紅野「Aちゃんは、三橋の傍に行ってあげて」
くい、と背を押され、
私は入り口のところで座ってる三橋さんの方へ向かった。
三橋さんは私に気がつくと「おー」と
だるそうに手をあげる。
「……もう終わりましたよ」
三橋「だな」
「……元気ですか?」
三橋「どこを見たらそう思うんだよ」
「…………三橋さん」
三橋「あ?」
「……抱きついても、良いですか」
三橋さんはしばらく私のことをじっと見て、
「10秒100円な」と言いながら腕を広げてくれた。
傷のある脇腹を避けてその腕のなかに入る。
すぐに背中に手が回された。
三橋「……あんがとな」
「え?」
三橋「……その、助けに来てくれてよ」
助かったわ
頭の上、恥ずかしそうな声。
離れたところでは消防士さんたちが
消火活動の真っ最中だ。
逃げ遅れた黒スーツさんたちが
運ばれてきている。
「……私、三橋さんの助けになれたんですか?」
三橋「おう。誉めてつかわす」
「……、…そっかぁ」
三橋「おい」
「なんですか」
三橋「顔あげろ不細工」
不細工と言われてカチンときた。
けど、言われた通り三橋さんの顔を見上げる。
三橋さんは私の顔をしっかり見ると
後頭部に手をあてて自分の胸元に
私のおでこを押し付けた。
ふわり、と香る三橋さんの匂い。
柔軟剤の匂いでも汗の匂いでもない、
三橋さんの匂いがした。
三橋「……泣くともっとブスになるぞ」
「………っ」
三橋「……ほんと泣き虫だな、お前」
「うっさいです……っ、ばか……」
後頭部に置かれた手が、
ぽん、ぽん、と優しく撫でてくれる。
どうしてこんなことに巻き込まれてしまったのか、
分からない。
ボロボロになった三橋さんを思い出すと
やっぱり私は泣いてしまって。
「ううぅ〜……」
三橋「……はぁ。ったく、仕方ねぇ奴だな」
その声に、泣いてしまうほど安心してしまうのだ。
さくしゃるーむ。※1/21朝まで→←さんびゃくさんじゅうご！！
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いちご - もうあと少しでお別れなんですね…もっと見たいですっ！完結した後でも何度も読み返しますね！！最後まで頑張ってください！ (2019年1月23日 0時) (
レス) id: 38e4f6d3da (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - なのなのさん» そーだよね……直してくるっ (2019年1月20日 23時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
なのなの - 紫雨さん» でも、字幕入れたら「理子ちゃん」だったと思うよ？私は統一した方が良いと思う…。急に変わったら違和感あるしね(笑) (2019年1月20日 23時) (レス) id: 544df7dfb5 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - なのなのさん» 正直理子ちゃんの文字迷ってるんだよね…小さいことなんだけど、漫画だと「リコちゃん」って呼んでてさぁ…ドラマどっちかわからないけど、ずーっと「理子ちゃん」できたからどーしよーって…笑笑 (2019年1月20日 19時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
なのなの - ごめん、341だった…！間違えちゃった、ごめんね。 (2019年1月20日 16時) (レス) id: 544df7dfb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2019年1月4日 20時
