さんびゃくにじゅうはち！！ ページ33
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榊ヶ峰は何もできなくなった私に満足したのか、
「さーてと」とスーツ男からなにかを受けとる。
分厚い箱。
柄には虎のデザインがあしらわれていて、高級そうだ。
榊ヶ峰「狂犬病って知ってる?」
香取「……犬の病気か?」
榊ヶ峰「そーそー。んでそのウイルスが
人間にも繁殖するらしいんだけどね。
無くなったと思ったウイルスが海に浮かぶ
とある孤島で見つかってさ。
それを採取して培養してみたら大成功」
早川「まさか……?!」
榊ヶ峰「昔のウイルスとは形が
変わっちゃってるからどう反応するかは分からないけど。
ねぇ見たくない? 見たいよねぇ??
人間が、自我を忘れて、ただただ獣のように荒れ狂う姿をさぁ?!」
やめて。
榊ヶ峰「ふふふ……もしかしたら、幻覚も見えてしまうかもしれない………君たちのことを……見ても分からないかもね…………っふふ、あっはははは……!!これだからやめられないんだよねぇ……ｯ!!」
伊藤「っやめろよ!!」
榊ヶ峰「うっさいなぁ。さっき言ったこと忘れたの?
君の大事な妹の頭、貫かれちゃうよ?」
やだ。いやだ、お願い。
目を覚まして。
私の願いは無惨にも、呆気なく砕けていく。
榊ヶ峰は三橋さんの腕に針を合わせて
笑いを堪えながら注射の中身を押し込んでいった。
瞬間、三橋さんの体がビクッと大きく跳ねたかと
思うと、荒い呼吸が激しく三橋さんを襲い始める。
三橋「はっ……ぁあっ……ぐ…ぉぁあｯｯ…!!」
榊ヶ峰「おやおやァ……少量なのに、
こんなに早く反応するんだねぇ……♪
これなら一本でも三人くらい余裕で感染させられる……♪」
「三橋さん……、…っ……やだ……嘘だ……」
榊ヶ峰「あははははは!!
ドラマチックだろう?!たまらないだろう?!
こっちにおいで、Aさん……!!
愛しの彼氏の名前を呼んでごらんよ……!!」
重くなった足を引きずって、
まるで榊ヶ峰に催眠術をかけられた
みたいに体が進んでいく。
体育館ほどの広さのある部屋。
三橋さんが、遠い。
三橋「っぐぁぁ、ぁあぁｯｯ!!」
榊ヶ峰「くくくく……分かるかい?
ウイルスが彼の体のあちこちを食い散らかしているのさ」
「みつ……は…しさん……」
榊ヶ峰「さぁもっとこっちに来い!!
そして絶望するんだ!!あっはははは!!」
榊ヶ峰の声はよく聞こえなかった。
私はただ、三橋さんだけでいっぱいなんだ。
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いちご - もうあと少しでお別れなんですね…もっと見たいですっ！完結した後でも何度も読み返しますね！！最後まで頑張ってください！ (2019年1月23日 0時) (
レス) id: 38e4f6d3da (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - なのなのさん» そーだよね……直してくるっ (2019年1月20日 23時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
なのなの - 紫雨さん» でも、字幕入れたら「理子ちゃん」だったと思うよ？私は統一した方が良いと思う…。急に変わったら違和感あるしね(笑) (2019年1月20日 23時) (レス) id: 544df7dfb5 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - なのなのさん» 正直理子ちゃんの文字迷ってるんだよね…小さいことなんだけど、漫画だと「リコちゃん」って呼んでてさぁ…ドラマどっちかわからないけど、ずーっと「理子ちゃん」できたからどーしよーって…笑笑 (2019年1月20日 19時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
なのなの - ごめん、341だった…！間違えちゃった、ごめんね。 (2019年1月20日 16時) (レス) id: 544df7dfb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2019年1月4日 20時
