にひゃくさん！！ ページ7
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どうやら昨日の偽物は
三橋さんたちを嵌める罠だったようで。
警察署帰りのお兄ちゃん曰く、
成蘭の人たちも巻き添えを食らったらしい。
「……次あったら一生波平スタイルにしてやる」
三橋「なんでお前がムカついてんだよ」
休み時間。
たまたま三橋さんとすれ違ったので
昨日の話をしていると、
お兄ちゃんもやって来た。
三橋「俺と伊藤を開久に誘き寄せようとしてるんだよ」
「警察に見つからないから……」
伊藤「そんな罠にはかかるわけにいかねぇな」
なんて話していると、興奮気味の佐川さんが
大きな袋を担いで教室から飛び出してきた。
私たちに気づくと嬉しそうにその袋を突きつける。
佐川「見てください!!こんなに貯まりましたよ!!」
「なんですかそれ」
佐川「お金っすよ!まだ全部じゃないっすけど……」
伊藤「佐川。あんな奴等に金なんか……」
佐川さんの表情から、ひょうきんな笑顔が消える。
白い袋を大事そうに抱き締めて、
唇を少し震わせた。
佐川「俺は、アンタらみたいに強くないんだよ!!」
三橋「……」
佐川「払わせてくれよ!!少しでも平和に過ごしたいってのが俺たちの願いなんだよ!!」
「……佐川さん」
佐川「Aさんだってそうでしょ?
危ない目になんか合いたくないっすよね……
それに俺は、もう、三橋さんたちが危険なことに
巻き込まれてほしくないんすよ……」
佐川さんは溢れそうな涙を必死に堪えて、
俯いてしまった。
私は持っていたハンカチを手渡すと
「ありがとうございます……」と目を拭く。
……そうだよね。
みんな、怖い思いをしてる。
みんなをこんな目に合わせたあの人を
許すわけにはいかないんだ。
三橋「……」
「えっ」
不意に三橋さんの大きな手が肩に乗っかってきた。
続けてお兄ちゃんの手が私の頭に乗る。
どうしてこんな状況になったのかわからないまま
二人は頭上で会話を始めた。
三橋「いくか」
伊藤「……ああ」
三橋「……罠にかかりに」
「……っ」
私は二人の学ランの裾をぎゅっと掴んだ。
私にできることなんて、
持ってるパワーとか運とか
そういうのを送ることくらい。
「……付いていっちゃ、だめです、よね」
三橋「いや、来い」
伊藤「は?」
「良いんですか?」
肩に手を置かれたまま見上げると、
三橋さんはあの不敵な笑みを浮かべて笑っていた。
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nasiremon - 伊藤兄がかっこよすぎる！ 涙腺妨害ですよ…同感できるところが多い…うぅぅぅ… (2020年5月13日 1時) (
レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 牡丹杏。さん» ぜひぜひ続きも見てください(*´∇｀*) (2018年12月27日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹杏。(プロフ) - えーここまでで涙ボロボロなのに、続編見たらどうなるの。私の涙腺w 楽しみにしてまーす (2018年12月27日 15時) (レス) id: 48235b53b0 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - ライアーさん» コメントありがとうございます！とても励みになります！これからもキュンキュンしてもらえるようらがんばります！！ (2018年12月26日 14時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
ライアー - 続編すっごく楽しみにしてます。頑張ってください！応援してます！！！ (2018年12月26日 13時) (レス) id: ca359b9f59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年12月16日 17時
